ブラマヨ小杉が指摘された「睡眠時無呼吸症候群」 合併症で突然死することも
睡眠時無呼吸症候群の検査と治療方法
編集部: どのような検査を行いますか? 甲斐沼先生: 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には主に以下の4つの検査が行われます。 ・問診票 ・睡眠障害の有無の検査 ・口腔内の検査 ・合併症の検査 問診票では「ESS(エプワース眠気尺度)問診票」という日中の眠気に関する問診票を使用します。この問診票によって日中の眠気がどの程度であるのかが明確になるのです。次に睡眠障害の有無の検査についてですが、この検査には2つの種類があります。 1つは外来でもできる簡易的なアプノモニターです。アプノモニターは検査用のセンサーを患者さん自身が持ち帰り、センサーを装着した状態で普段通りの睡眠をとることで無呼吸の回数や血中酸素濃度などを測定します。 もう1つはポリソムノグラフィーという精密検査です。ポリソムノグラフィーはアプノモニターとは違って入院が必要になります。脳波や心電図などの検査項目を加えることでより詳細に睡眠時の状態が分かり、重症度なども明確になります。 そして口腔内の検査はのどの咽頭部を観察する、あるいはあごの形状を評価するといった観点で診察します。前述したように睡眠時無呼吸症候群の原因にはあごの形や大きさによるものもあります。 原因を探る意味でも大切な検査であるということです。最後に合併症の検査ですが、こちらは必要に応じて行われます。睡眠時無呼吸症候群の合併症として多い、高血圧や糖尿病などの検査が主です。 編集部: 治療方法を教えてください。 甲斐沼先生: 睡眠時無呼吸症候群の治療方法は重症度に応じて決められます。主な治療方法としては以下の2つがあります。 ・マウスピースの使用 ・CPAP療法 マウスピースを使用した治療は軽度や中等度の睡眠時無呼吸症候群に使用されることが多いです。治療専用のマウスピースを睡眠時に装着することで気道を確保してくれます。 CPAP療法は経鼻的持続陽圧呼吸療法ともいい、中等度または重度の睡眠時無呼吸症候群の治療に適した治療方法です。マスクから陽性圧力を有した空気を気道に送ることで睡眠時の気道ラインを確保します。 編集部: 睡眠時無呼吸症候群は完治するのでしょうか。 甲斐沼先生: 睡眠時無呼吸症候群は基本的に完治はしない病気とされています。しかし、体重の減量や前述した治療などによるある程度の改善は可能です。