【大学バレー】最終戦を残し早稲田大が2季ぶりの優勝 関東大学男子秋季リーグ戦
関東大学バレーボール秋季リーグ戦(男子)は最後の1試合を残し、早稲田大が昨秋以来の優勝を決定。2位以下が2敗以上を喫するなかで無敗を守り、今春の悔しさを晴らす結果を残した
「下級生に助けられた」 3年生の前田凌吾キャプテン
昨季は水町泰杜(現ウルフドッグス名古屋)を中心に四冠を達成するなど、圧倒的な強さを見せていた早稲田大。今季は春季リーグ戦2位、東日本インカレはベスト8とまだタイトルを獲得していなかった。そこでチームは夏合宿の前に大きな決断をする。キャプテンを4年生の浅野翼から3年生のセッター前田凌吾に交代。より大きな責任を感じていた前田は、10月13日の順天堂大戦を終えて「この秋を頑張りたかった。無事にタイトルを獲得できて、キャプテンとしてよかった」と振り返った。 優勝を決めた順天堂大戦はセットカウント2-1でリードしていたが、第4セット序盤に逆転される。松井泰二監督は「(今春敗れている)順天堂大に負けたくない、全勝で優勝したいという気持ちが空回りしていた」と感じとり、落ち着かせるためにタイムアウトを要求した。試合再開直後、Cクイックに入ったミドルブロッカー麻野堅斗が前田キャプテンのトスを打ちきって得点。サイドにトスが集まっていた状況で、練習してきたことを再確認したうえでの選択をし、流れを渡さなかった。 今季のスタメンは3年生以下が中心。駿台学園高(東京)から一緒で、同じ2年生のアウトサイドヒッター佐藤遥斗とリベロ布台聖は、春秋通じてリーグ戦全試合にスタートから出場した。「プレーで貢献して、優勝できたのは自信につながる」と佐藤。布台も「(前田)凌吾さんに引っ張ってもらい、自分たちは(佐藤)遥斗らと下から盛り上げよう」と役割を理解している。前田キャプテンは「下級生にほんとうに助けられた。ベンチに入っていない選手も含めて、全員が仕事をしてくれたおかげ。一緒に優勝できたのはうれしい」と感謝を述べた。残すは10月27日に行われる、今春のリーグ戦と東日本インカレを制した中央大との試合のみ。2022年秋そして昨年春と、早稲田大は中央大に全勝優勝を阻まれている。「優勝したことは意識せず、勝てるように準備していく」と前田キャプテン。因縁の相手に勝利し全勝優勝、そして2年連続の全日本インカレ制覇へ弾みをつけたい。
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