マンションの供給戸数が減った理由とは? 新築・中古マンション市場動向や注目物件を不動産アナリストが解説!【2024年8月版】
首都圏の新築マンション市況【2024年6月度】
続いて、2024年6月度の首都圏新築マンション市場を見てみたい。株式会社不動産経済研究所によれば、2024年6月度の新築分譲マンション発売戸数は、前年同月と比べ12.8%減少の1,662戸。契約率は66.4%となっており、前月よりも10.4ポイントアップした。 また、首都圏新築マンションの戸あたり平均価格は、8,199万円となっており前年同月比では、1,649万円のアップとなっている。 販売在庫は5,418戸で、前月末よりも41戸の減少。2023年6月末の販売在庫は4,951戸だったので、昨年対比では増加している。なお、即日完売物件は1物件のみで、価格は上昇しているものの、売れ行きの鈍化傾向は続いている。 下のグラフは、過去5年間の首都圏の新築マンション価格(平均価格)と契約率の推移を示す。契約率は先月に引き続き好調ラインの70%を下回る結果となった。 首都圏新築マンションの地域別の発売状況は、下表のようになっている。 エリア別の平均価格は、東京23区が1億1,679万円。東京都下が5,657万円、神奈川県が6,586万円、埼玉県が6,032万円、千葉県は6,220万円。東京23区は、前年同月比で+51.6%と大きく上昇している。 地域別で見ると、好不調の目安となる契約率70%を上回ったのは、先月に続き千葉県のみだ。平均価格、㎡単価ともに千葉県も大きく上昇しているが、㎡単価は、最も低い。買いやすさで選ぶと千葉県に目が向くということだろう。 続いて、中古マンション市場を見てみよう。
首都圏の中古マンション市況【2024年6月度】
公益財団法人東日本不動産流通機構によれば、2024年6月度の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比4.8%増加の3,259件となっており13カ月連続で前年実績を上回っている。 成約価格は、前年同月比7.5%上昇の4,956万円。平均成約㎡単価も対前年同月比7.9%上昇の77.95万円となっている。成約㎡単価が前年同月を上回るのは、50カ月連続となる。 また、2024年6月の新規登録物件の㎡単価は74.76万円となっていて、前月よりも0.2%上昇した。 2024年6月の新規登録物件数は、対前年同月比で4.4%減少の15,088件。在庫件数は前年同月比で2.5%減少し45,603件となっている。在庫水準は、まだ高いものの新規登録数の減少と成約件数の増加によるもので、エリアによっては需給がさらにひっ迫するかもしれない。 下のグラフは、過去5年間の首都圏の中古マンション価格(成約㎡単価、在庫㎡単価)と在庫件数の推移を示す。2023年春にかけて在庫件数が大きく伸びたが、直近では在庫が増えなくなってきている。 次に地域別の中古マンション動向を見てみよう。 地域別では、埼玉県を除く地域で成約㎡単価が前年同月比で上昇。最も上昇幅が大きかったのは、都下の11.0%だ。埼玉県を除くすべての地域で7%を上回る上昇幅になっており、首都圏の多くの地域で中古マンション価格の上昇トレンドが見られる。 さらに地域を細かく見てみると、都心3区(千代田区、中央区、港区)の成約㎡単価が前年同月比17.1%上昇の183.11万円と堅調で直近の最高値を更新した。新築マンション価格も上昇しており、中古に目を向ける人も多いようだ。 郊外エリアでは、川崎市の成約㎡単価の上昇が目立つ。2024年6月度の成約㎡単価は、前年同月比14.7%上昇の74.36万円。東京都に隣接しているエリアでもあり人口も増加傾向にある。 その代表的な街が、交通利便性と生活利便性がそろった武蔵小杉駅。同駅が立地する川崎市中原区は、社会増加と自然増加により2023年1月1日時点平均年齢は、神奈川県で最も若い41.71歳だ。 次に今月の注目マンション「リビオシティ文京小石川」を紹介する。