【Cycle*2024 UAEツアー:レビュー】新星レナルト・ファンイートヴェルトが大逆転で大会制覇! ステージ3勝のティム・メルリールは文句なしのスプリント王“即位”
作戦成功だ。個人総合でトップに立てる可能性があることも把握していたから、最後まで踏み止めずに上った。自身初のワールドツアー勝利となるステージ優勝。そして、ビルバオやオコーナーたちが22秒差でのフィニッシュとなったため、ボーナスタイムを絡めた結果、ファンイートヴェルトのUAEツアー個人総合優勝が確定した。 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)、プリモシュ・ログリッチ(ボーラ・ハンスグローエ)、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)などが名を刻む王者のリストに、22歳のベルジアンクライマーが並ぶ。それを問われた本人は、「クレイジーだね。とんでもないことをしてしまったよ」と笑う。
もっとも、第5ステージで122km逃げて、その間に2回の中間スプリントをトップ通過。合計6秒のボーナスタイムを得ていたこともプラスに働いた。プロデビューイヤーだった昨年は1クラスや2クラスのレースで勝利を収め、今年はマヨルカ島でのトロフェオ・セッラ・トラムンタナで優勝。勢いと将来性は誰もが認めていた中で、キャリア最高の栄誉をつかんだ。直近の目標にはストラーデ・ビアンケを挙げており、UAEでの強さを未舗装路でも生かすつもりだ。
ファンイートヴェルトから2秒差でオコーナーが2位。同じく11秒差でビルバオが3位となり、それぞれ総合表彰台を確保。メルリールは文句なしのポイント賞で“スプリント王”。再三逃げを打ったマーク・スチュワート(コラテック・ヴィーニファンティーニ)は中間スプリント賞に輝き、チーム総合はリドル・トレックにわたっている。
砂漠地帯を駆けた中東での戦いは終わり、トップシーンはヨーロッパ各地でのビッグレースへ。パリ~ニースやティレーノ~アドリアティコ、ミラノ~サンレモ、北のクラシックと見どころは盛りだくさん。どんなヒーローが生まれるのか、楽しみは尽きない。
文:福光 俊介
福光 俊介
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