【Cycle*2024 UAEツアー:レビュー】新星レナルト・ファンイートヴェルトが大逆転で大会制覇! ステージ3勝のティム・メルリールは文句なしのスプリント王“即位”
6ステージを終えて、リーダージャージはヴァインで変わらず。総合タイム差30秒以内に5人、1分以内に14人。最後の1日で、誰が今大会の王座に就くかが決まる。 そんな運命の1日は、2度の集団分断がプロトンに一層の緊張感を漂わせた。前述したファンイートヴェルトだけでなく、個人総合5位でスタートしたペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)らも一時的とはいえ後方に取り残された。それが落ち着いたのはフィニッシュ前35km付近。3人の逃げを追いながら、最終決戦の山であるジェベル・ハフィートへと入った。
リーダーチームのUAEチームエミレーツとしては、ここまでは盤石だった。先の分断を仕掛けたデカトロン・アージェードゥーゼールラモンディアルが、11秒差の個人総合2位につけるオコーナーを押し上げようと盛んに動きを見せたが、要所は抑えてヴァインのリーダージャージを守る態勢を固めていく。
ところが、肝心のリーダーたちが苦しんでしまった。デカトロンが速いペースを刻み始めると、まずマクナルティが脱落。ほどなくしてヴァインまで後退。これでUAEチームエミレーツが崩壊すると、バーレーン・ヴィクトリアスやアスタナカザクスタンチームも加勢。残り4kmからは、各チームの総合エースたちによるノーガードの打ち合いが始まった。
それまで逃げていたエマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)は捕まり、代わってエイネルアウグスト・ルビオ(モビスター)、オコーナー、ビルバオらが前をうかがう。そして決定打はフィニッシュ前2kmで生まれた。
ファンイートヴェルトがマイケル・ストーラー(チューダープロサイクリング)の動きをチェックすると、そのままカウンターアタック。みるみるうちに後続との差が開いていく。
「リードが広がっているのを見て、“えっ、本当!?”と思ったね。もう行くしかないと開き直ったよ。フィニッシュ前3kmで急勾配になることは把握していて、勝負はそこからだと思っていた」(ファンイートヴェルト)
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