長野誠史選手インタビュー! シーホース三河「Be With」で目指す未来のカタチ【バスケ】
長野誠史選手インタビュー 毎年オフに小学校に複数訪問「感謝の大切さを伝え、勇気を与えたい」
Bリーグの協力の下、リーグで行われている社会的責任活動「B.LEAGUE HOPE」にフォーカス。今回はシーホース三河(以下三河)のSDGsプロジェクト「Be With」について長野誠史選手に小学校訪問について、そしてスタッフに聞く三河が目指すアリーナ起点の街づくりについてお話を伺いました。 シーホース三河(以下三河)が設立当初より行っていた社会貢献活動が、2022-23シーズンよりSDGsプロジェクト「Be With」と名付けられたことで、より積極的な取り組みがスタートしたと前編でご紹介しました。 その三河が社会貢献活動を行っていくうえで大切にしているのが、「まちづくり」「ひとづくり」「なかまづくり」という3つの軸です。その考えは新アリーナ (2026年10月に完成予定)のコンセプト、“人が動く!地域が動く!未来が動く!”にも生かされています。
――毎年オフ、積極的に学校を訪問されているそうですね。7月には安城西部小学校を訪問し、6年生100名に”夢”をテーマにお話されたと伺いました。こういった活動はどのくらいの頻度で行っているのでしょうか? 長野)オフの時期に毎年4、5校は顔を出しています。普段はなかなか触れ合えない子どもたちと一緒にバスケをやったり、給食を食べたり、色々な話をしたりというのは、自分も元気をもらえる活動です。小学生ですとまだバスケをやったことがない、知らないという子も結構いるので、「こんなに楽しいスポーツなんだよ」ということを知ってもらえたらと思っています。 ――テーマは大切にしてきた「感謝」「挑戦」「目標」「努力」という言葉だとお聞きました。 長野)今までの経験、培ってきたことを考えた場合に、4つの言葉を一番大事にしてきました。それを伝えたいと思っています。話をしていくと「こんな夢があります」と言う子もいますし、逆に「まだ夢がないです」と言う子もいます。嬉しかったのは、講演後に送ってくれた手紙で「夢を持ちたいです」とか「夢に向かって頑張ります」と書いてくれたりすることです。 ――長野選手にとってもエネルギーにつながる出会いということですね。また子どもたちにはどんな影響を与えたいと考えていますか? 長野)そうですね。実際に会った時にすごく喜んでくれますし、特別な体験だなと感じています。影響ということでは、自分のように身長が低いプレーヤーでも、プロの中で頑張れるということを伝えたいし、見てもらいたいですね。あきらめないことの大事さを知ってほしいです。それと自分が小学生だったころには、プロ選手と触れ合う機会はありませんでした。実際に学校を訪問して自分と出会ったことを一つのきっかけとして早い年齢から目標に向かって進んでくれたら、なおさらにうれしいですね。 ――出身地の石川県でも子どもたちにクリニックをされているそうですね。 長野)同級生で地元が同じ森井健太(横浜ビー・コルセアーズ)から声をかけてもらい、石川県のバスケの発展に向けて少しでも力になりたいということで、昨年から参加し始めました。今年のお正月には能登半島で地震が発生し、避難所として使われていたこともあって体育館を使えない状況がありました。そのような時に、B.Hope と選手会の活動でプロ選手が集まって活動することができました。とても意義あることだと思いますし、今後も積極的にやっていければと考えています。 ――子どもたちの表情はどのように感じましたか? 長野)元気がよかったですし、笑顔を見せてくれた子がたくさんいました。前にも参加してくれて見覚えがある子に声を掛けてコミュニケーションを取っていたのですが、前回より少しでも上達していることがわかってうれしくなりました。クリニックも回数を重ねることで、効果も笑顔も生まれやすくなるんだと思います。こういうことをきっかけに、プロ選手になってくれたらうれしいですね。自分にとっても、いい時間になりました。 ――4つの言葉の中で特に伝えたいものはありますか? 長野)「感謝」する大切さだけは、特に伝えるように気を付けています。小学校に訪問した際もそこを意識していますね。先ほどもお話しましたが、能登半島地震ではスポーツができない期間がありました。当たり前のことができているという感謝を親や保護者の方に一言ずつでも伝えてみようと語りかけています。 ――長野選手が感謝の大切さを教わったのは、どんな機会だったのでしょうか? 長野)金沢高時代の恩師の教えです。地域の方々や先生、保護者の皆さんが応援してくれているからこそ、バスケができるし、結果も出せるんだよと言っていただき、「常に感謝を伝えなさい」と教わりました。