自治会費を支払わない住民に支払いをお願いすることはできますか? 会費が十分に集まらず困っています…。
自治会とは、自分たちが暮らす地域の環境を整え、住みよい街にするために地域住民で自主的に運営している団体です。自主的な団体であるために、住民側と自治会側との間でトラブルが発生してしまうこともあるようです。 ▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの? 自治会側が加入を強制したり、住民側が自治会費を支払わなかったりと、地域によってさまざまな問題が発生しています。 本記事では、自治会への加入や会費の支払いを強制することは可能か否かについて、裁判事例とあわせて紹介します。
自治会の会費を負担に感じ加入しない人もいる
自治会に入ると会費の支払いが発生します。地域によっては会費が不要となるケースもありますが、多くの場合で会費を設定し、地域を管理しています。会費の金額は地域によって異なり、年間数千円ほどとしている自治体が多いようですが、毎年かかる費用であるため金銭的な負担を感じている人もいるでしょう。 自治会の会費は、ゴミ捨て場の管理や回覧板の作成などにかかる費用を賄うために利用されていますが、マンションなどの集合住宅に住んでいる場合、共用部にゴミ捨て場が設置されているケースも多く、自治会に入らなくても困らないとして加入しない人もいます。
自治会への加入は法律上義務ではない
自治会への加入は、法律で義務付けられているものではありません。自治会自体が各地域の住民で構成されている任意の団体を指しており、法律上での成立要件が定められていないため、権利能力のない団体とみなされます。 そのため、自治会へ加入するかどうかは本人の自由であり、自治会加入者や管理者が強制できるものではありません。 例えば、賃貸契約時に契約書で自治会への加入を条件付けている場合には、一度加入する必要がありますが、脱退するかどうかは本人の自由です。 そのため、すぐに脱退して会費の支払いを行わなくてもルール上問題ないといえるでしょう。自治会は任意団体であるため、賃貸管理会社側から入居者に再加入を強制する権利もありません。 したがって、賃貸借契約上では加入を必須としても、契約期間中に加入し続ける必要はないといえるでしょう。