意外と知らない「パソコン通信」とWeb(ワールドワイドウェブ)は何が違うのか?
「WWW」の登場は1991年
World Wide Web(WWW)、通称「ウェブ」はティム・バーナーズ=リー氏によって考案され、1991年に登場しました。同氏はURLやHTTPmHTML の最初の設計も手掛け、異なるコンピューター間でのシームレスな情報交換を技術的に実現しました。そんな「WWW」は、登場当初は大学や研究機関のデータ共有を目的に使用されました。 ■爆発的な「WWW」の広まりはWindows 95の登場がきっかけ
WWWの普及に大きな転機をもたらしたのが、1995年に発売された「Windows 95」。Windows 95は爆発的に売れたOSであり、国内の発売日である1995年11月23日は午前0時ぴったりに販売を開始する店舗も多数。秋葉原では販売開始までのカウントダウンが行われたり、深夜イベントが行われたほどです。 そんなWindows 95が特に注目された理由には「インターネット対応」が挙げられます。従来のWindows 3.1は標準でネットワーク機能を持っておらず、「WWW」を使うには別途で通信ソフトが必要でした。しかし、Windows 95はTCP/IPプロトコルを搭載しており、ダイヤルアップ接続機能やWebブラウザも搭載されていました。 つまり「Windows 95を買えばインターネットが使える」という分かりやすさが、一般の方を大きく惹きつけたと言えるでしょう。Windows 95の登場以降は爆発的に「WWW」が普及し、パソコン通信は徐々に下火へと転じました。
インターネット普及後の「パソコン通信」
パソコン通信はWindows 95の登場とインターネットの普及後、しばらくは一定のニーズを保ち続けましたが、00年代に差し掛かるころには大きく利用者数が減少しました。 たとえばニフティは当時、国内でパソコン通信サービスを提供している主要企業のひとつでしたが、2006年5月31日をもってサービスを終了。2006年のサービス終了時には利用者数は約2万人でした。 一方で、パソコン通信の文化の一部は、インターネット上のコミュニティやサービスに受け継がれています。たとえばパソコン通信で親しまれていた掲示板などのコミュニケーション機能は、現在のSNSやメッセンジャーアプリにも通じるものがあります。このように、パソコン通信は現在のインターネット文化の礎となった面もあるのです。
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