年末年始“一気見ドラマ”おすすめベスト10 「見逃してしまうのはもったいない」2024年放送のドラマ
「ドラマから映画につなげて収益化に成功した」といえば、『おいハンサム!!2』の仕上がりもさすがだった。 そのコンセプトは、「『食べて、恋して、人は生きている…』 クスッと笑えて、お腹もすく、『恋』と『家族』と『ゴハン』をめぐる見たことのない最新コメディ」であり、22年1月期のドラマ第1弾から不変。つまり、「グルメドラマであり、ラブストーリーであり、ホームドラマでもある」という3つの魅力を持つ作品であり、それらが絶妙なバランスでブレンドされている。 最大の立役者は脚本・演出を手がける山口雅俊。短くも味わいのあるエピソードを縦横無尽につなぎ合わせる職人技は健在で、カット割りやカメラワークのこだわりは他作の追随を許さない。なかでも食事シーンと吉田鋼太郎のハンサムぶりをフィーチャーした演出に引きつけられる。 『2』だけでも十分楽しめるが、『1』と映画版を合わせた“連続一気見”も醍醐味の1つ。
2024年“最大の掘り出し物”で迷いなくベストにあげられる名作
■5位:『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(東海テレビ・フジ)
東海テレビ制作では、この『おっパン』も双璧。とにかく笑えて心が温かくなるような後味のいい作品だった。 「おっさんと若者の世代間ギャップ」「昭和の時代錯誤と偏見」というモチーフは同時期に放送された『不適切にもほどがある!』(TBS)と似ていたが、あちらがタイムリープという離れ技に頼った一方、こちらは真っ向勝負。 家庭でも職場でも嫌われている古い価値観のおっさん・沖田誠(原田泰造)が息子の友人でゲイの五十嵐大地(中島颯太)と出会い、失敗を重ねながらも地道にアップデートを重ねていく姿が共感を誘った。 仕事や家庭での振る舞い方に加えて、ジェンダーレス、ひきこもり、推し活などの社会的なテーマを次々に扱ったこともポイントの1つ。あらゆる人の「好きなもの」「自分らしい選択」を肯定する令和のムードにフィットした作品であり、原田と中島が会話を交わすシーンは癒しと気づきであふれていた。 ■4位:『燕は戻ってこない』(NHK総合)