SUVが船のように浮く「緊急フロートモード」搭載、中国高級車「U8」の水上航行動画が話題
中国の自動車メーカー「BYD」の高級ブランド「YangWang (ヤンワン、仰望)」が、同社が発売するSUVの「U8」が水上を航行する動画を公開した。いざというときに頼れる機能として話題を呼んでいる。 【動画】SUVが船のように浮く「緊急フロートモード」搭載、中国高級車「U8」の水上航行動画 YangWangは11月下旬、X(旧Twitter)の公式アカウントを通じ、「緊急洪水テスト」と題する動画を公開。動画では、水しぶきをあげて浅瀬を走行しているU8が、徐々に深い水域へと進入。一定の深さに達すると、気密性の高いボディの性能が生かされ、車両が水面に浮遊する。 U8は一定の水深に達し、かつバッテリー残量が30%以上ある場合、「緊急フロートモード」と呼ばれる機能が自動的に起動し浮遊する。単に水に浮くだけでなく、船のように自力で航行することもでき、浅瀬へと退避する助けになるという。 意図的に水域に進入するための機能ではないものの、洪水などの緊急時に人命を救う機能になり得るとして注目を集めている。
水深1mで緊急フロートモードが起動
YangWangは耐水性の秘密として、「革新的な気密ボディ」および「IP68準拠の防水コンポーネント」を挙げている。 水深1mを超える環境に置かれたことを車体が検知すると、水から防護するために緊急フロートモードが機動。このモードはエンジンを自動的に緊急停止させ、浅瀬においてはサスペンションが上昇することで水面からの高さを稼ぐ。 また、ハザードの点滅で非常事態にあることを周囲に報せるほか、窓が自動で閉鎖され、代わりにサンルーフを開放して換気を確保する。雨天時は手動でサンルーフを閉めることも可能だ。 浮上して救助を待つのみならず、浅瀬へと自力で航行する機能も備わる。EV情報サイト「エレクトレック」は、「車輪をプロペラとして使用」することで、水上での推力を生み出すと解説している。動画では水面に渦を描きながら進むU8の姿が収められている。 U8はプラグインハイブリッド(PHV)仕様となっており、ガソリンエンジンに加え、デフロック搭載の4基のモーターを備える。吸気を必要とするガソリンエンジンが停止した状態でも、モーターを動力として車輪を稼働させる。 また、モード起動時には、車内のインフォテイメントの画面が切り替わり、水深と車両位置を表示する。ドライバーはこれを頼りに水上で針路を決めることができる。