SUVが船のように浮く「緊急フロートモード」搭載、中国高級車「U8」の水上航行動画が話題
想像よりも機敏にターン
今回公開された動画は英語版だが、昨年には中国語版が公開されている。また、昨 年11月にはYouTubeチャンネル「大家車言論」の番組ホストの男性が、YangWangのテスト施設で実際にU8に乗車。同行したエンジニア水域に入り、緊急フロートモードに切り替わるデモが実施された。 車外では窓下10cmほどにまで水面が迫るが、車内への浸水はまったく見られない。動画では続いて、独立して動作する4輪により機敏にターンする様子が披露された。さらに、両側の車輪を対称に稼働させることで、ゆっくりと直進する様子も確認できる。陸に上がると車体下から大量の水がこぼれ落ちるが、車内への影響はまったくないようだ。 技術解説サイトの米インタレスティング・エンジニアリングは緊急フロートモードについて、クルマが本来苦手とする水域での安全性を向上する取り組みだと評価。「過酷な状況下におけるイノベーションと安全性に対する、ブランドのコミットメントを実証する」機能だと述べている。 エレクトレックは、テスラのサーバートラックも短時間であれば水に浮くことができると紹介。そのうえで、他のEVでも水槽内で水圧テストに耐える様子が披露されることがあるが、U8は「正真正銘浮いていて、車輪をプロペラとして使っている」点で異なると指摘。航行が可能なU8について、「これはかなりクールだ」と所感を述べている。
発売を待つ声が世界各地から
公式動画には、革新的な機能に惹かれたユーザーからのコメントが寄せられている。「EVの未来がいかにエキサイティングかを示す実例だ」「オーストラリアでの発売予定は?」「洪水の時に実に役立つだろう」 「カリフォルニアでもぜひ買いたい、頼む!」U8についてはほかにも、車輪を横方向に向けたカニ歩きなど、独自の機能が発表されている。100万元(約2000万円)という値段は誰にでも手が届くものではないが、革新的なSUVとして注目を集めているようだ。
文:青葉やまと