明治、チョコレートで力強さ発揮 シェア上昇 夏場の猛暑対策施策も奏功
明治は第1四半期(3月期),チョコレートやグミなど合算したカカオ事業の売上高が10%弱伸長して373億円となった。 チョコレート市場は同期間、金額ベースでは1桁前半となったと推定されることから、市場を上回る伸びをみせ、シェアは1ポイント以上伸ばし27%となったとみられる。 取材に応じた吉田彰グローバルカカオ事業本部カカオマーケティング部部長は「価格改定の影響で売上は良かった。物量も若干前年を割れてしまったが、ほぼ前年並みとなった」と語る。 一番の牽引役は「チョコレート効果」。上期(4-9月)はチョコレートの逆風である猛暑も跳ね除け2ケタ近い成長を遂げた。 「ミルクチョコレート」「きのこの山」「たけのこの里」「アーモンドチョコレート」「マカダミアチョコレート」も好調となった。 猛暑対策としては、塩を加えた商品に磨きをかけた。 2023年6月に発売した「アーモンドチョコレート塩ミルク」の好評を受けて今年6月には「アーモンドチョコレート沖縄塩&ミルク」と「マカダミアチョコレート沖縄塩&ミルク」の2品を投入した。 中でも「プロダクトで賑やかしながら本体とのエンゲージメント(関係性)を高めることができた」と胸を張るのが「きのこの山」の夏場限定商品。 7月25日に発売開始した「チョコぬいじゃった!きのこの山」は、クラッカー部分だけが楽しめるもので、チョコレートではないが「きのこの山」本体の活性化に貢献。 これに対し、「たけのこの里」は“チョコを脱ぎません!”を謳い「チョコぬぎません たけのこの黒 黒糖味」を9月3日に新発売した。 明治ではかねてから「きのこの山」と「たけのこの里」を競わせる内容のキャンペーン施策を展開し両ブランドの活性化に成功している。 今後のチョコレート市場については「値上げによる売上アップが続くと思う。上期、物量は若干前年を下回ったが、このまま物量が下がっていくと、それはやはりお客様に支持されていないということなので、値上げしつつ物量も上げていくのかが我々の課題。ブランド価値をしっかりお客様にお伝えし、納得して買っていただく楽しい企画や新商品展開を行っていくのがメーカーの使命」との見方を示す。