「骨粗しょう症」は遺伝する? 骨密度の遺伝的要素や治療法・予防法を医師が解説
近年「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」や「フレイル」などという言葉がよく聞かれるようになりましたが、私たちがいつまでも元気に活動していくためには筋肉だけではなく「骨」も非常に大切だと言います。骨にまつわる疾患「骨粗しょう症(骨粗鬆症)」の原因や治療法、予防法などについて、「とだ小林医院」の小林慎一郎先生に解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
「骨粗しょう症(骨粗鬆症)は遺伝する」って本当? 骨粗しょう症の原因やなりやすい人の特徴・遺伝的リスクを医師が解説
編集部: 骨粗しょう症について教えてください。 小林先生: 骨粗しょう症は、加齢に伴って骨の量(骨量)と質(骨質)が悪化して骨がもろくなる疾患です。現在、日本には1000万人以上の患者さんがいると言われていますが、社会の高齢化に伴ってますます増加傾向にあります。 編集部: 骨粗しょう症になりやすい人の特徴はありますか? 小林先生: 骨粗しょう症は女性に多くみられる疾患で、特に閉経後の女性がなりやすいと言われています。更年期以降は女性ホルモンの分泌が低下するため、「骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する」働きのある女性ホルモンの分泌も低下し、骨がもろくなってしまうのです。また、しっかりと食事が摂れていない人(低栄養)や喫煙、多量の飲酒や、一部薬剤の長期使用との関係も指摘されています。骨折してしまってからでは遅いので、閉経後の女性は、整形外科などで定期的に骨粗しょう症の検査を受けることをおすすめします。検査方法はいくつかありますが、できれば「手首だけ」など一部の検査ではなく、「全身用X線骨密度測定」など、全身の検査を選択していただきたいですね。 編集部: 骨粗しょう症は遺伝することもあるのですか? 小林先生: たしかに、遺伝的要素もあるのではないかと言われています。近親者に骨粗しょう症と診断された人がいる場合や、診断されていなくても、「転んだだけで骨折してしまった」という近親者がいる場合などは注意が必要です。