すべての要因は「ケチな体質」にある ダイハツ不正問題について専門家が指摘
過剰な品質要求や納期が原因ではなく、外注に出すなど金を出したくないという「ケチな体質」から出たもの
飯田)岐阜県恵那市の“アマリサ”さんから、「原因として、過剰な品質要求や納期、現場を知らない管理監督部門、責任を取りたくない人々など、どの企業でも起こり得る問題だと思うし、現実に大なり小なり起きていると思います。風通しのいい組織や余裕のある品質幅、納期にしていくことが大切ではないかと思いますが、競争社会なのでいろいろなところで、こういうことがあるのでしょうね」とご意見をいただきました。開発期間の短さも第三者委員会の報告書から指摘されていたようですが、これから先、変わっていくものですか? 国沢)それは言い訳だと思います。例えば「お金がないから犯罪に手を出した」というのは、犯罪者の言い訳ですよね。自動車業界は夢をつくる業界なので、忙しければ技術者を雇えばいいし、時間がなければ外注に出してテストすればいいだけの話で、そういう言い訳が通用する業界ではありません。 飯田)夢を売る業界。 国沢)だから第三者委員会への言い訳を見て、全然視点が違うなと思いました。どの自動車メーカーも新しい技術や環境技術を入れたり、電気自動車を開発する必要などがあり、大変なのです。でも、そういうことから逃げてはいけない業界です。お金を使えばいい話なので、そのお金を出したくないという考えがダイハツの根源的な問題ですね。ケチなのですよ。
すべて入れ替えて会社をつくり変える必要がある
飯田)そうすると、解体的出直しを行わなければどうしようもないですか? 国沢)約30年前から不正している人たちが上にいるわけですから、何とかして全部入れ替えたり、形を変えないと無理です。すべて見直して中身を入れ替えるぐらいの気持ちで会社をつくり変えなければダメだと思います。 飯田)時間が掛かりそうですね。 国沢)時間は掛かるでしょうね。ただ、しっかりやらないと関連企業の人たちも困るので、早く行うべきです。