「長岡をサッカーの街に」という信念。帝京長岡高校・古沢徹監督が目にしている“20年後”の景色 高円宮杯プレミアリーグWEST帝京長岡高校×サガン鳥栖U-18マッチレビュー
「エスコートキッズのJY(長岡ジュニアユースFC)の子たちは、帝京長岡のグラウンドで練習している子たちですし、親近感もより湧きますね。自分も憧れてもらえたら嬉しいです」(柳田夢輝)「長岡でやるからこそ、エスコートキッズと一緒にピッチに入れるのだと思うので、自分たちのプレーを少しでもカッコいいと思ってくれる子どもたちが増えるなら、ありがたいことやと思います」(山本)。ホームゲームに対する強い想いは、他の選手たちにも芽生えているようだ。
「今日のゲームは気持ちの入った良いゲームでした」と指揮官が振り返ったように、この日の試合は帝京長岡の好パフォーマンスが、とにかく際立った。前半のうちに柳田と安野匠の2トップがそれぞれゴールを記録。「守備も集中して、攻撃もうまく点が獲れたりして、良い前半だったと思います」(遠藤)。最初の45分間で2点のリードを奪う。
後半にも「試合前から『ゴールを決めたい』とは思っていた」という遠藤が、“後輩”たちの前でファインゴールを叩き込めば、山本を中心とした守備陣も身体を張って、鳥栖U-18の攻撃をシャットアウト。「あれだけ守備の帰陣のスピードも徹底してできれば、そう簡単にはやられないと思うので、この90分間の中でさらに成長してくれている感覚ですね」と古沢監督も手応えを感じる内容で、強敵を3-0と撃破。試合後にはピッチで戦った選手たちと、スタンドから声援を送り続けた控えメンバーに加え、長岡ジュニアユースFCの小中学生たちが、一緒に勝利を喜び合った。
今から約20年前。まだ帝京長岡のグラウンドでひたすらボールを追いかける高校生だった古沢監督は、その頃と今のチームを取り巻く環境について、こういう違いを話してくれた。
「1つ上の川上(健)コーチも含めて、僕らの頃は(谷口哲朗)総監督に『目標は日本一だ』と言われても、まったくイメージができなかったですし、帝京長岡だと言っても『ああ、“東京の帝京”じゃないんだ』と笑われていた時代があったわけです」