「長岡をサッカーの街に」という信念。帝京長岡高校・古沢徹監督が目にしている“20年後”の景色 高円宮杯プレミアリーグWEST帝京長岡高校×サガン鳥栖U-18マッチレビュー
「でも、今の選手たちには『君たちは日本一をイメージしようと言ったら、多少イメージを描けていると思うから、そのイメージを大事にしよう』ということは毎日言っています。『イメージできることは絶対に実現するから、信じて毎日一生懸命トレーニングしよう、毎日ゴハン食べよう、毎日サッカーやろう』と言っている中で、ここからもうひと伸び成長してほしいですよね」
大学在学中から長期休暇の際には母校の練習に顔を出し、卒業後は地歴公民科の教員を務めながら、サッカー部の後輩たちの指導に当たっている古沢監督には、以前から携えてきた揺るがぬ信念がある。
「僕は自分が大した指導者だと思っていないので、情熱を持って指導していくところしか、たぶんストロングがないんです。だからこそもっともっと勉強しなくてはいけないですし、自分が歩みを止めないようにしないとなって。10年後も、20年後も、それこそ選手と一緒に、同じ熱量でボールを追いかけていたいなという所に尽きますね」
あるいは既に指導者を志していたという、高校を卒業したばかりの頃に描いていたよりも、遥かに素敵な“20年後の景色”が、古沢監督を取り巻く環境には待っていたのかもしれない。ならば、みんなで切り拓いていくこれからの未来にだって、もしかしたら今の彼らが想像しているよりも、ずっとずっと素晴らしい“20年後の景色”が広がっていないなんて誰が言えようか。
実はこの日のエスコートキッズの中には、古沢監督の愛息が顔を連ねていた。プレミアリーグを戦う日常は、きっと街の景色にも少しずつ影響を与えていくに違いない。帝京長岡がこの地に根付かせてきた緑のDNAは、確実に、脈々と、次の世代を担う者たちへと受け継がれている。
文:土屋雅史
土屋 雅史