阪神・岩崎 球児監督入団会見時の目標「3回優勝」を今年こそ! 地元・静岡で始動「力になりたい」
阪神の岩崎優投手(33)が4日、本紙に塩対応ではなく本音を打ち明ける企画「成し遂げる その先へ」で新年の誓いを立てた。藤川球児監督(44)が自身の入団会見時に口にしていた優勝3回の目標が2回(03、05年)にとどまっていることを昨年知った左腕は“残り1回”を監督として達成してもらうために守護神として貢献することを宣言。球団では同監督以来3人目となる通算100セーブに加え、NPB5人目の「100セーブ150ホールド」到達も通過点に、指揮官の夢も背負って腕を振る決意を示した。(取材・構成=遠藤 礼) 年明けの静岡は、いつも晴れ渡る。防寒着も必要ないくらいの陽気を肌で感じ取りながら、岩崎は例年通り、地元の草薙球場で12年目を始動させた。 「また始まったな、という感じですね。何もやることは変わらないし、いつも通り、また静岡で年末を過ごして新年を迎えて。しっかり1年間戦える準備をするだけですね」 昨年まで4年連続で50試合以上に登板し、身を粉にして勝利に貢献してきた。近年は若手のお手本として、マウンド以外でもブルペンの精神的支柱として絶大な存在感を発揮。名実ともにチームのV奪回に不可欠な男は、藤川監督に指名される形で今季、守護神として開幕を迎える。 「自分がやるとは思っていないというか、他の人がやるのかなとも思っていたので少し驚きはしましたけど。ポジションを言われて開幕を迎えるのは初めてですけど、やることは変わらないというか、特に気負うことなく向かいたいですね」 不変の心構えとともに、静かにたぎらせる熱い思いがある。昨年ふと目にしたのが、藤川監督が20年9月に開いた現役引退会見の映像。入団会見で「優勝3回と胴上げ投手1回」を豪語したことを引き合いに「入団会見で3回優勝すると言って2回(03年と05年)しか優勝していない。今年3回目のチャンスが来ている」と口にしていた。結局、その年チームは2位に終わったため夢はかなわなかった。それが背番号13のハートに火を付けた。 「勝手な解釈かもしれませんが、その3回目の優勝を監督として達成してもらうために自分はチームの勝利に貢献したいし、力になりたいと思いました」 くしくも監督として再びタテジマのユニホームに袖を通すことになった指揮官から直接託された“9回のバトン”。23年に続く、自身2度目の胴上げ投手になることが、25年の大きな使命になった。至る道程が平たんではないことは、自らが一番、分かっている。 「(監督は)現役時代も一緒にさせてもらって自分のことを知っているので、厳しく見られると思う。9回を投げると思いますが、そんな簡単なこと、甘いことじゃない」 練習後、書き初めには「何がいいですかね」と熟考した末に「頂」と力強く記した。 「チームとして頂点に立つこと。個人としてもタイトルを頂く。そういう意味にはなりますよね」 あと11セーブ、1ホールドでNPB史上5人目の「通算100セーブ150ホールド」を達成となるが、「そこは早い段階で」と通過点として捉える。最終目標地点の“てっぺん”へ、一歩を踏み出した。 ≪当意即妙のコメント連発≫ ▽藤川監督、新人時代の入団会見 98年のドラフトで阪神から1位指名。12月21日の新入団選手発表で「10年後の自分は?」の質問に「3回くらい優勝を経験して、胴上げ投手も1度くらいはやっていると思います」と言ってのけるなど、当意即妙のコメントを連発。「タレントにもなれる。二足のわらじでいこうか」と水を向けた野村監督には「そんなん困ります。面倒見てくれんかったら困ります」と見事な切り返しも、会見後は「やってしまいました。普通にやろうと思っていたけど、それじゃあ自分らしくない」と大テレだった。