国交省、ワンコインセンサで浸水状況をリアルタイム表示
国土交通省は、浸水の危険がある地域に浸水探知センサーを多数設置して、リアルタイムに状況を把握する「浸水センサ表示システム」の公開を11月14日10時から行なう。 【この記事に関する別の画像を見る】 これまで浸水被害の把握については、ヘリによる調査や、浸水後の痕跡調査などが主流だった。しかし、ヘリによる調査ではリアルタイム性はあるものの、悪天候時や夜間の調査は不可能だった。痕跡調査については、広範囲の調査が難しく人員確保や専門技術者が必要になる。 こうした課題を解決するために行なわれているのが「ワンコイン浸水センサ実証実験」で、大雨による浸水被害や、堤防の決壊など、浸水の状況を速やかに把握するために開発が進められている。「浸水センサ表示システム」はその成果の一つ。 実証実験では、小型長寿命かつ低コストの「ワンコイン浸水センサ」を堤防や流域内にあらかじめ多数設置し、情報を収集。収集したデータをリアルタイムの浸水状況表示を地図上で参照できる「浸水センサ表示システム」を構築しており、今回このシステムが試行的に公開されることになった。 2024年度は162の自治体と45の企業等が実証実験に参加しており、実際にワンコイン浸水センサを各地に設置し、その特性や情報収集・共有の有効性を実証。浸水状況がリアルタイムに把握できるようになったことで、避難情報の発令だけでなく、排水ポンプの設置タイミングや、通行可否の判断などにも役立てることができるという。 民間企業においては、例えば、保険会社が保険加入住宅に設置することで、被害状況や保険金支払の円滑化に役立てたり、警備会社が警備対象施設に設置して状況を把握して対応の迅速化を図るなどの検討が行なわれている。
Impress Watch,清宮信志