尾上右近&松田元太、魂をかけて挑んだ初声優 『ライオン・キング:ムファサ』で混ざり合う才能【インタビュー】
Q:スカーはディズニー作品における名ヴィランとして知られていますが、彼にも魅力的なストーリーがあります。タカに声を当てて、改めてスカーの物語を観返した時、 松田さんの中でスカーの新たな魅力を発見できたりしましたか? 松田:タカの時代があったからこそ、スカーとのギャップがすごくて、 確かに悪いことはしたかもしれないんですが、ムファサとの兄弟の絆や愛は消えずにいて、スカーの傷ができる瞬間も痺れます。スカーはそんなに嫌なやつじゃないのかもしれないと、今も思って観ています。この作品で、ますますスカーが好きになりました!
尾上右近&松田元太の“モットー”とは?
Q:お二人が演じたムファサ、タカの好きなところ、またキャラクターのセリフや行動でご自身と重なる部分はありますか? 右近:子供の頃に両親と一緒に過ごしていた故郷の思い出が、香りで蘇るシーンが好きです。ムファサにも、埋まらない孤独があるんだということを思いました。僕もムファサの感覚がわかるんです。この仕事をさせていただく上で、中村獅童さんから「けんけんにしかわからない感情、けんけんにしか抱けない感覚が、表現の上で重要なものになる」というお言葉をいただいて。ムファサもその感覚を持っているので、そこは共感しました。孤独をぬぐうために、みんなの力を信じて、信じることによって力を引き上げて、円(サークル)の中心に立つことができるっていう能力が高い。それがムファサなんです。
松田:スカーになる前のタカは無邪気で、思いついたらすぐ言葉にしてしまう可愛らしい一面もありながら、少し身勝手な部分もあり、でも友情や愛、男としての大切さもしっかり持っています。タカにとってムファサの存在は大きいですし、兄弟という間柄ですが、タカ自身もムファサをリスペクトする部分はたくさんあります。僕も先輩方や同世代のメンバーを尊敬しているので、そういった部分と重ねてタカと向き合いました。自分と似ている部分があるので、タカがより好きになりました。