秘境感漂う別世界! 高山植物の宝庫「秋田駒ケ岳」のムーミン谷で初夏の花を愛で、名湯に癒やされる
「可憐な高山植物三昧! 初夏の花を愛でる山旅【秋田駒ケ岳編】」に続く後半です。秋田駒ケ岳の火山らしい真っ黒な砂礫地の中を横切る道を登りきると、唐突に植生が変わって、別世界へ出ます。 【写真】高山植物の宝庫「ムーミン谷」に咲く花々を見る(全19枚) なだらかな斜面に伸びる一本の木道。その両脇を埋め尽くすように咲いている一面のチングルマ。そこに広がっていたのは、まるで絵画のような、美しい世界でした。
いろいろな花が埋め尽くすメルヘンの谷
この景色が見たくて、今回わざわざ梅雨時に東北までやってきたんです。通称「ムーミン谷」。メルヘンチックで美しい、広大なお花畑です。 この季節の主役は何といってもチングルマ。夏山シーズンに北アルプスなどに登ると、すでに花が終わって綿毛になっていることが多いのですが、今回はバッチリ開花期。しかも咲きはじめのフレッシュは花ばかりで、花もつぼみも超可愛い。 もっと標高が低いところでもたくさん見ましたが、ムーミン谷にもたくさん群生しているコイワカガミ。白のチングルマととてもよく似合うピンクの花がステキ。 チングルマと比べると小さくてあまり目立たないけど、目線を低くしてよく見るとたくさん咲いているヒナザクラ。サクラソウ科ならではの可愛らしさ。清楚な白が緑に映えます。ふと見回すと、みんな地面に張り付くようにして写真を撮ってました。 ムーミン谷の牧歌的な美しさに、このまま通り過ぎてしまうのがもったいないなぁと思っていたら、仲間が虫よけネットを落としたというので、探しに戻って、二度美味しいお花畑でした。 ムーミン谷の中間地点付近に、駒池という小さな池があります。とてものどかな景色なのですが、じつはこのあたり一帯はカルデラの中なんです。 1970年の秋に女岳が噴火。噴出したマグマが、まるで巨大な打ち上げ花火のようなストロンボリ式噴火となって、ニュースをにぎわせたとか。比較的穏やかな噴火で、近くに小屋などもないし、人的被害も出なかったのが幸いでした。当時、珍しい火山噴火が見られるということで、周辺には見物人が繰り出して、一時的に観光スポットのようになったそうです。