仕事できない人の口ぐせ「数字が苦手」を消す魔法 「謎解き」と思えば数字アレルギーは難なく解消
■データ活用とは「謎解き」である では私はどのようにして呪いを解いているか。答えはとてもシンプルです。彼らの仕事の定義を変えるのです。数字の集合であるデータを活用するという仕事を、別の表現で再定義するのです。その再定義はたったひとことで表現できます。 「謎解き」 私はデータ活用研修などでは、「普段の仕事において謎解きを楽しんでほしい」と提案しています。そもそもデータ活用とは、単に机上で数値をこねくり回すことではありません。次のプロセスを踏むことです。
問題提起→構造化→仮説構築→データ分析→課題発見→実践→解決 このプロセスの最初と最後に注目すると、「問題」と「解決」という言葉の存在に気づきます。すなわち、データ活用とは問題を解決すること。これを子どもでも伝わる表現に変換したものが「謎解き」なのです。 おもしろいもので、人間は同じことを伝えているのにその表現が違うと、メッセージの受け取り方が変わります。「データ活用してください」では好ましい反応をしない人でも、「普段の仕事において謎解きを楽しんでほしい」と伝えると受け取り方が変わります。
おそらく多くの大人たちにとって、謎解きという行為は楽しかったもの、ワクワクしたもの、スカッとした爽快感(達成感)が得られるものという認識があるのでしょう。 年齢を問わず人気があるミステリー系のテレビドラマや映画も、じつはその展開はデータ活用のプロセスと極めて似ています。誰が犯人かという問題が最初に提起され、それを構造化し、仮説を立て、事実を確認し、答えが導かれます。 データ活用とは謎解きをすること。普段の仕事において謎解きを楽しんでほしい。そのようなメッセージを「数字が苦手」とおっしゃる人たちに届けると、彼らの反応はポジティブなものになります。次は、ある研修の参加者が残してくれたコメントです。
「深沢先生が提案してくれた“謎解き”というキーワードが良かったです」 ■仕事の定義を変えて、現場を変える あらためて、言葉というものは恐ろしいものです。一方で、言葉というものはじつにおもしろいものです。言葉ひとつでネガティブだったものはポジティブに変わりますし、一瞬で呪いが解けてしまうような魔法にもなります。 今回ご紹介したような伝え方は部下指導や組織開発にも有効です。データ活用ができる人材を育成したい。データドリブンな仕事ができる組織に変えたい。そう願いながらそこに難しさを感じている管理職や人事担当者はたくさんいます。