C-1最終31号機、銀ちゃん・カモノハシ勢ぞろいでラストフライト 特集・入間航空祭25万人来場
航空自衛隊入間基地で入間航空祭が11月3日に開かれた。5年ぶりの一般公開で、約25万人が訪れた。世界に1機しかない電子戦訓練機EC-1(78-1021)が初登場したほか、アクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が展示飛行を披露。C-1輸送機の最終号機である31号機(18-1031)のラストフライトで幕を閉じた。 【写真】入間航空祭に参加したC-1やEC-1 今回の展示飛行は、カモノハシのようなユーモラスな外観が特徴のEC-1が最初に登場。輸送ヘリコプターCH-47J「チヌーク」、飛行点検機U-680A、練習機T-4、輸送機C-2とC-1、多用途支援機U-4、ブルーインパルスと続き、C-1の31号機がラストを飾った。一方、強風のため、C-1からの空挺降下は中止となった。 31号機が退役したC-1は、地上展示として飛行試験機(FTB)となった試作初号機(28-1001)、通常塗装の試作2号機(28-1002)、31号機とライスとフライトでペアを組んだ30号機(08-1030)の量産機2機、そして目玉のひとつだったEC-1が登場。銀色の姿から「銀ちゃん」とも呼ばれる試作初号機、試作2号機、「カモノハシ」EC-1、量産機と、現存する全種類の機体が一堂に会する機会となり、地上展示や展示飛行では後継機C-2をワンフレームに収められる場となった。 C-1は、戦後初の国産旅客機YS-11型機を開発した日本航空機製造(日航製、NAMC)が、防衛庁(現防衛省)の技術研究本部(現防衛装備庁)とともに開発し、川崎重工業(7012)が製造した国産の中型輸送機。全長29.0メートル、全幅30.6メートル、全高9.99メートルで、乗員5人、定員は患者搬送36人、空挺隊員45人、通常人員60人、最大積載量11.9トン、最大離陸重量45トン、航続距離は積載0トンで2400キロ、8トンで1500キロ、最短離陸滑走距離460メートル、エンジンはプラット・アンド・ホイットニー製JT8Dを2基搭載している。 開発時はXC-1と呼ばれ、日航製が製造した試作初号機と2号機のうち、初号機は1970年8月24日にロールアウト(完成披露)し、同年11月12日に初飛行。3号機からは川重製となり、今回退役した最終量産機の31号機は1981年7月28日に製造され、総飛行時間は1万7880時間と、2022年11月の入間航空祭で退役した29号機(98-1029)と同じだった。 本写真特集では、勢ぞろいしたC-1を取り上げる。
Tadayuki YOSHIKAWA