“壮絶な死の山”EURO決勝Tの明暗「我々がベスト」スペインにドイツ、不甲斐なく不運なフランスvsベルギー、ポルトガルも…現状と展望
なぜフランスは不甲斐なく、不運に見えるか
より不甲斐なく──あるいは不運に──見えるのは、フランスだ。彼らは3試合で実に48本ものシュートを放ちながら、ゴールに収まったのは相手のオウンゴール(オーストリア戦:1-0)とキリアン・エムバペのPK(ポーランド戦:1-1)のみ──新シーズンからレアル・マドリーでプレーする25歳にとって、これがEURO初ゴールとなった。 ポーランドとの3戦目では、エムバペ、ブラッドリー・バルコラ、ウスマン・デンベレの今季PSGトリオが先陣を切って攻め立て、チーム全体でPKを除く8本の枠内シュートを放ちながら、神が降りたような相手GKウカシュ・スコルプスキにすべて防がれてしまった。 「普段、我々の平均ゴール数はかなり高いものだ」 予選でジブラルタルに14得点、オランダに4得点を記録したレ・ブルー(フランス代表の愛称)のディディエ・デシャン監督は、ポーランド戦の後にそう話した。 「グループの3試合ではその水準になく、だからこそ1勝2分に終わってしまった。それでも私はポジティブだ。もっとゴールが必要だし、もっと決定力を高めなければならないのは確かだが」
デシャン監督らしさの象徴はエムバペ以上にカンテ
オーストリアとの初戦の最終盤に鼻を骨折して、3戦目にマスクをつけて復帰したエムバペについては、「色々なことが起きたが、今夜の彼はよかった。マスクをつけてプレーすると、視界の狭窄はもちろん顔面の多汗により、慣れるまでに時間を要するものだ」と語っている。 ただデシャン監督は元々、片方のウイングにタフな働き者を用いることがひとつのシグネチャーとなっているように、石橋を叩いて渡るタイプだ。 グループ最初の2試合でエンゴロ・カンテがMOMに選出されているのは、現役時代に質実剛健な守備的MFだった指揮官の色がチームに反映されているからとも言える。 自身が主将を務めて頂点を極めた1998年W杯とEURO2000でも、そして監督として世界を制した2018年W杯でも、堅実な守備がベースにあった。それはピッチの中でも外でもレ・ブルーのリーダーを務めてきた男の勝利の歴史だ。
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