グリーンランプは横断OKの合図 信号のない横断歩道を渡る歩行者に安心・安全を届けたい 80歳の島本さんが1人1台で続ける草の根活動 三重・名張市
三重県名張市の島本隆幸さん(80)は自家用車に緑色に光るグリーンランプを取り付けて、信号のない横断歩道を児童たちが安全に安心して渡れるように合図する取り組みを続けています。 道路交通法では、歩行者が横断歩道を渡る際、横断歩道の前での車の一時停止を義務付けています。しかし、JAF(日本自動車連盟)が調査した2024年度の「信号機のない横断歩道における車の一時停止率」によると、「歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は53%」という結果が。
こうした中、島本さんは、運転する車から歩行者に合図ができればと、車の前部と後部に緑色に光るグリーンランプを取り付けることを考案しました。島本さんは「ランプの緑色の光で、子どもたちに安心を与えたい」と話します。ランプは市販のボタンプッシュ式のもので、前方だけでなく後方にもランプを取り付けているのは、後続車に横断歩道の前での停車を知らせて追突を防ぐためです。 20年3月にグリーンランプ普及協会を設立し代表理事に就いた島本さんは、同じ年の10月にグリーンランプに関する装置の実用新案を登録し、21年7月にグリーンランプ普及マークの商標登録をしました。
今年9月に市内の比奈知小学校で、島本さんは児童らへのグリーンランプの説明会を開きました。児童たちは「守ってくれてありがとうございます」と、島本さんに日ごろの感謝の声を届けたということです。 現在、島本さん一人が車1台のみで行っている活動ですが、「歩行者に合図をしっかり届けることで、安全・安心を届けたい」と話しています。