【初公開ラフ付】『運良く大ヒット』ではプロデューサー失格…「ユーザーさんは‟友達”ではない」ゲーム会社Laplacianの成功法則
アインシュタインが好きだった
――もともと、バリバリの理系ですよね。 そうです。理学部でした。 ――しかも、宇宙物理でしたよね。 子供の頃からアインシュタインが大好きで。最初は生き方や言葉に惹かれて、それから「この人は何をした人なんだろう」って興味を持って、物理をやり始めたんです。アインシュタインが作れなかった、「統一場理論」を代わりに自分が作ってあげようと思って物理学科に入ったんですが、全然ダメでした。 ――『天才少女は重力場で踊る』に出てくる主人公の大学生、物理学科の万里部(まりぶ)君みたいな感じですか。 そこはちょっと恥ずかしいんですよね。ちゃんと自分と距離を取ってエンタメ作品を作ろうと思っていたのに、蓋を開けてみたら、結構自分が出ちゃってて。 ――学生時代、周りに「こいつはやっぱり違うな」みたいな人はいましたか? 学生じゃないですけど、ゼミの指導教官がそうですね。とにかく頭の回転が速く、理路整然としている。いまでも、自分が会った中で一番頭のいい人だと思っています。 ――学生ではどうでした。 学部レベルでは、意外に分からないんですよね。そのくらいの段階だと、最終的には真面目に勉強した人が好成績を収めて首席になる。ただ、そういう学生とは別に、「寝ても覚めても物理のことばっかり考えている」って奴はいて、これは自分にはできないと思いましたね。そんな環境の中で、物理とは別の面白いことに目が行くようになった、というのはあるんじゃないかと思います。 ――ドイツ語でアインは1、シュタインは石ですから、万里部君の指導をする一石(かずいし)教授は、完全にアインシュタインですね。 名前もそうですが、風貌もパイプも、あと、本人はヴァイオリンで一石はギターですが、楽器を弾くところも、完全にアインシュタインです。 ――実は、一石以外も、名前の由来って色々あるんですよね。 そうですね。三澄翠は、元々は三角翠(さんかく・すい)だったんです。さらに遡れば、三角形(みすみ・けい)。でも、三角形はさすがにどうかという話になり、地の文での三角も、「さんかく」と読んじゃうだろうというので、今の名前になりました。 ――万里部君の名前には、願いもこもっていて。 万単位の部数が売れるように、ですね。でもフルネームは、マリブコークのもじりなんで、もはや駄洒落になっちゃってますね。