【なぜ?】「基本的に“破壊”です」文化財・美術品の“トンデモ修復”スペインで続出!原因は『知識不足』と『善意の暴走』⁉無くならない背景には、信じられない『成功体験』が…
『キリストがサルになった!!!』 これには、原画作者の孫テレサ・ガルシアさんも、怒り心頭。 (原画作者の孫 テレサ・ガルシアさん) 「頭の部分を描き始めた時から、問題だらけ。彼女は、元の絵を破壊してしまったんです」 ボルハ市は、絵画修復の専門家派遣を要請。早急に元の状態に戻すはず、だったのですが…。
“トンデモ修復”報道で、世界中から1年で5万7000人もの観光客が殺到する事態に発展。問題の作品の前には、長蛇の列が…。 教会側は、訪問者一人につき1ユーロ(当時のレートで約130円)の入場料徴収をスタート。さらに、問題作をプリントしたマグカップやTシャツ、挙句の果てにはワインまで販売。 その著作権収益の49%はヒメネスさんに、残りの51%は教会側に、まるっと山分けの契約が成立。2016年には、教会内に『“トンデモ修復”情報センター』までオープンし、もはや状況は“あの日”に戻れないほど加熱したのです。 (絵画を修復したヒメネスさん) 「素晴らしいわ。これまで苦しんだ私の人生の終わりに、神様がこの幸せを与えてくれたのよ」
(元ルーブル美術館・絵画修復員 加賀氏) 「現代らしいお話なんでしょうけど、非常に困ったお話というか、結局、その国が国民に対して、末端までの文化度をどうやって上げるのかという、その辺りは大切なことかもしれません」
2020年6月23日、『スペイン保存修復専門家協会』は「保存修復の専門家は仕事に恵まれず、海外に移住したり廃業したりして、絶滅の危機にさらされている。この状況が、文化遺産保護の欠如を生む」と、内情を暴露しています。 (「情報ライブ ミヤネ屋」2024年8月23日放送)
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