イスラエル、ガザとレバノンで攻撃強化-7日の急襲1周年を前に
(ブルームバーグ): イスラム組織ハマスによるイスラエル急襲から1年を迎える7日を前に、イスラエルはパレスチナ自治区ガザ北部に部隊を再び送り、レバノンでは激しい空爆と限定的な地上作戦を続行。終わりが不透明な多方面作戦を展開している。
ネタニヤフ政権は、先週イスラエルに向けて200発近い弾道ミサイルを発射したイランへの対応を検討している。7日の急襲1年の節目を前に、イスラエル国内外の治安部隊もイランの代理勢力によるテロ攻撃の可能性に対して厳戒態勢を敷いている。
イスラエル軍は5日から6日にかけた夜間にガザで空爆と地上攻撃を実施した。ここ数カ月で最大規模とみられる。
ハマスが運営するガザの保健省は避難所となっている元学校とモスクを狙った2回の攻撃により、26人が死亡したと発表した。イスラエル軍はこれらの建造物がハマスの司令部として使用されており、民間インフラの中に意図的に埋め込まれていると主張した。
保健省によれば、この1年間にガザで死亡した人は4万1000人を超えるが、民間人と戦闘員の区別はしていない。レバノン当局によれば、ここ数週間のイスラエルによるレバノン空爆で1500人余りが死亡し、約100万人が避難した。
ガザ北部では、地上部隊がジャバリヤで作戦を開始。戦争初期以来最大と思われる避難命令を発令した。
住民に退去を命じるビラが空からまかれ、イスラエル国防軍は人道的区域に向かう2つの主要な避難ルートを示した。
イスラエル軍は「ジャバリヤ地域にテロリストとテロインフラがあり、ハマスがこの地域で作戦能力を再構築しようとしている」と指摘。イスラエル空軍は地上部隊を支援するため、数十の軍事標的を攻撃した。
ガザでの新たな攻撃は、ハマスが部分的にでも再編成できることを裏付けている。イスラエルはこの1年、ハマスの軍事インフラを広範囲にわたって破壊してきたが、統治能力を解体するという目標は達成できていない。イスラエルはまた、昨年10月7日にハマスに連れ去られ、いまだにガザで拘束されている約100人の人質の奪還も達成できていない。人質の約半数は生存しているとみられている。