スーパーからコメが消えても心配無用…最大2カ月しかもたないコメを「長期保存できる備蓄米」に変える方法
■オススメは「無酸素保存」 そこでオススメの方法が「無酸素保存」です。私自身も10年以上無酸素保存でお米を備蓄し続けておりますが、常温でも1年程度はお米の鮮度がほぼ保たれ、10年保存したお米も問題なく食べられる優れた方法です。 無酸素保存は名前の通り、食品の周りの酸素を取り除いて保存をする方法です。酸素をなくすことで、お米の呼吸や酸化を止め、害虫やカビを死滅させ、外気と遮断することで乾燥やにおいうつりもなくなります。常温によるお米のローリングストックが可能になるのです。 密封されたお菓子や生ものの中に、「食べられません」と書かれた乾燥剤のような小袋が入っていますが、これが無酸素保存。幅広く活用されている方法です。 ■長期保存に向いているお米は「玄米」か「無洗米」 無酸素保存による長期備蓄に向いているお米は、「玄米」か「無洗米」です。玄米は栄養価の面で優れている他、精米することで食味を取り戻すこともできます。精米時に得られる糠(ぬか)も、食料危機下においては有効ですね。 無洗米は白米に比べて酸化しづらく、米とぎも不要なため、水が貴重になっている状況において有利となります。日頃から玄米を常食しているならば玄米保存を、白米を食べているならば無洗米の保存がいいでしょう。
■脱炭素に「使い捨てカイロ」が使える では本題です。無酸素保存には「脱酸素剤」と「ガスバリア袋」が必要になります。袋の中の酸素を取り除いた後、外からの酸素の浸入を防ぐ組み合わせです。 脱酸素剤でよく見かけるものは、三菱ガス化学(株)の「エージレス®」です。鉄粉の酸化反応が空間中の酸素を吸着し、周囲を無酸素にしてくれます。また、これと同じ原理のものが「使い捨てカイロ」です。カイロもまた鉄粉の酸化反応で熱を作り出しますが、密封空間に入れると周囲の酸素を全て吸収するため、脱酸素に使うことができます。 ■酸素を透過させない袋を用意 なお、脱酸素剤やカイロが吸える酸素の量には上限があるため、外から空気が入ってしまうと無限に酸素が供給されてしまい、無酸素状態が失われます。そのため無酸素保存には酸素を透過させない「ガスバリア袋」があわせて使われます。 一般的な米袋やレジ袋、また各種「普通の袋」の多くは「ポリエチレン」という素材でできています。いわゆるポリ袋ですね。ポリ袋は気体を透過させやすく、完全密封しても外から空気が入ってきたり、逆に中身のにおいが外に漏れたりします。脱酸素剤で無酸素にしても、外から徐々に酸素が浸入し、無酸素状態でなくなってしまうのです。 酸素を通さないガスバリア性能の高い袋には、レトルト食品やコーヒー豆などによく使われる「アルミ蒸着袋」や、真空パック機の袋としてよく使われる「ナイロンポリ袋」があります。ナイロンポリ袋は真空パック機のロールタイプの交換袋をネット通販などで購入可能です。 真空パック機でお米を保存する場合は、一緒に使い捨てカイロを入れることで中が無酸素になるため、かなり長期間の保存が可能となります。が、少々手間がかかります。