米国の記者を“破産危機”にした日本の誘惑 「もう買わない」決めたそばから購入した侍Jグッズ
「やっと見つけたぞ!」と即購入したグッズとは
この日、明治神宮野球大会の決勝が行われていた。大会グッズの販売テントを発見。 「もう何も買わないぞ」 呟くクレア記者と一緒に中に入る。早大のユニホーム型ピンバッチが、その決意を揺るがせていた。 「これは見たことがあるぞ……」。なんとか誘惑に打ち勝ち、何も買わずにテントを後にしたが、意外なところで“落とし穴”が待っていた。 ちょうどいい時間になり、いざバッティングドームへ。足を踏み入れて早々、「やっと見つけたぞ!」。興奮するクレア記者の声が響いた。 施設内には、野球用品店が入っていたのだ。店頭には侍ジャパンのユニホーム。気付けば同記者はサイズを確認していた。ピッタリだ。あれだけ口座残高を気にしていたのに……。迷うことなくレジに向かっていた。 「小さなアパートだから、収納場所も考えないと……」。そう言いつつ、縦縞のユニホームに袖を通す。クレジットカードの請求額は心配だが、胸に光る「JAPAN」を誇らしげに示す姿は満足感に溢れていた。 バッティングドームを訪れたのは、一緒に来日したフォトグラファーのジョー・ナ氏が撮影した映像が使用されているから。遅れて合流したナ氏は、侍の一員になったクレア記者に「また買ったの?」と呆れ顔だ。 同施設ではNPBの現役&OB投手に加え、パドレスのダルビッシュ有投手、レンジャーズのマックス・シャーザー投手(現在はフリーエージェント)の映像が用意されていた。MLB2投手の素材はナ氏が提供したもの。 マシンの投球に合わせて表示されるバーチャル映像を見たナ氏は「僕が撮影した映像だ!」「こんな風に使われているんだね」と歓喜の声を上げた。一方、クレア記者はとある名前に「これは対戦してみないと」と反応。それは来季からメジャーに挑戦する日本のスター右腕だった。 (後編へ続く)
THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku