酸素ボンベなしでダイビングってマジか? ストイック過ぎる「フリーダイビング」の競技種目とは
ダイビングといえば「スキューバダイビング」など、レジャーとして人気のイメージがありますよね。しかしダイビングの中には、「フリーダイビング」という競技性の強い種類もあるのをご存知でしょうか? フリーダイビングとは、スキューバダイビングのような水中で呼吸をするための装置を持たず、「一息でどれだけ水中に潜れるか」を競う競技。最近では徐々に人気が高まっており、競技人口も増えてきています。 【写真】様々なフリーダイビング競技をチェックする(全6枚)
フリーダイビングの花形種目「コンスタントウェイト ウィズフィン」
フリーダイビングの花形種目と言われているのが「コンスタントウェイト ウィズフィン」。「フィン」と呼ばれる足ヒレを履いて、水中に垂直に設置されたロープに沿って潜水します。どれだけ深く潜れるかを競う競技で、ロープを掴むことは禁止。足ヒレと、手のかき動作以外から推進力を得ることはできません。使用する足ヒレに規定などはありませんが、潜水中に使用する重りの量を変えてはいけないなどのルールもあります。
他にもある深さを競う競技
「コンスタントウェイト ウィズフィン」以外にも、足ヒレなしで潜水する「コンスタントウェイト アウトフィン」もあります。競技の形式は「コンスタントウェイト ウィズフィン」と同じですが、フィンを使わずに自分の力だけで泳ぐため難易度はアップ。体にかかる負担も一番大きいのです。 また、他には水中のロープを掴むことができる競技も。「フリーイマージョン」はフィンを使わず、ロープをゆっくりと手繰りながら潜れる深さを競う競技です。手だけを使って潜るため酸素の消費も少なく、泳ぎが苦手な人も挑戦しやすい種目。しかし腕の筋力が必要だったり、潜っている時間も長くなるという特徴があります。
速さを競う「ダイナミック ウィズフィン」
これまで紹介してきた種目は、海でおこなわれる海洋競技種目でした。しかしプールでおこなわれる競技種目もあり、フリーダイビング初心者はまずプール競技種目からスタートするのもおすすめです。 プールでは「ダイナミック ウィズフィン」が代表的な競技種目。この種目では、一息で水平方向に移動する距離を競います。名前の通り、フィンを使用する種目ですが、フィンを使用しない「ダイナミック アウトフィン」も存在します。 速さを競う競技の他にも、水面にうつ伏せに浮き、呼吸をどれだけ長く止められるかを競う競技「スタティック アプネア」などがあります。息を止めるというシンプルな行為ですが、求められるのは身体的能力だけじゃないのがポイント。息を長く止めるためには心理的なコントロールが影響するなど、かなり奥が深い競技です。 フリーダイビングの魅力はなんといっても水など自然との一体感を味わえること。フリーダイビングに興味が湧いたら、まずはスクールの初心者コースなどから体験してみてはいかがでしょうか。
野中陽平