阪神の高知キャンプ、「球児フィーバー」で約6300人が来場
さすがの、〝球児フィーバー〟だった。 プロ野球阪神は3日、藤川球児監督(44)の就任後、初の実戦となる紅白戦が秋季キャンプ地の高知県安芸市営球場で行われた。高知出身の藤川監督の凱旋(がいせん)ということもあり、球場は大盛り上がり。練習開始の2時間半前には球場に隣接する駐車場は満車となり、近年の秋季キャンプでは最多となる約6300人が来場。球団関係者は「外野席を開放したのは記憶にない」と驚きの様子だった。 【写真】藤川球児はあの名将と野球観を培った 元番記者が見た一瞬の「会話」 球団の秋季キャンプでは5年ぶりとなった紅白戦。そのオーダーからは監督の考えも透けて見えた。紅組の「2番・三塁手」で佐藤輝明を起用。これまで主に中軸を担っていた25歳を、日本では主に小技がうまい選手が担う、中軸への「つなぎ役」とされる打順に置いた。「みんなに可能性というか、いろんな景色を見てほしい」。そんなメッセージだった。 その佐藤輝は2打数1安打1四球と期待に応え、中前安打にはスタンドから大きな拍手が起きた。 試合中は捕手の後ろから、じっと戦況を見つめた藤川監督。試合後は気になった投手や野手のもとへ歩み寄り、対話を重ねた。 報道陣へも、粋な計らいをみせた。高知市内に店を構える知り合いの飲食店に頼んで、球場内に特設ブースを設置。「球児監督差し入れ飯!! 土佐勝男飯」という名の「カツオ丼」を報道陣や関係者に160食分、振る舞った。 1日から始まった秋季キャンプは3日目にして、ようやく晴天に恵まれた。初めて屋外での練習、大盛況となった一日を終え、藤川監督は「高知のみなさんも喜んでくれただろうし、選手も刺激になったと思う。これからもタイガースの存在価値を大切にしないといけない」と笑顔だった。(山口裕起)
朝日新聞社