<春風を待つ―センバツ・宇治山田商>少人数でも大きな力に 吹奏楽部14人が応援曲練習 演奏協力者集めにも奔走 /三重
宇治山田商のセンバツ出場に向け、吹奏楽部員も応援曲の練習に余念がない。吹奏楽部員は14人と少ないが、応援の演奏者の協力を得て、グラウンドで躍動する選手たちを大きなサウンドで後押ししようとしている。【原諒馬】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 合奏室から校舎に響き渡っていたのは、攻撃のチャンスで演奏する「バンビーナ」。ここ一番で流す曲だけに、練習にも力が入る。野球部からはすでに、約30曲の応援曲のリクエストが届いた。吹奏楽部長でホルンを担当する山本奈緒さん(2年)は「選手に応援を届けたい。甲子園は、テレビを通じて山商の熱い応援を全国に伝えるチャンス」と意気込む。 昨夏の三重大会決勝戦でもスタンドで演奏した。甲子園へあと一歩、届かずくやしがる選手の姿が忘れられなかった。昨秋の東海大会準決勝は、2年生の吹奏楽部員で伊勢市内のカラオケ店に集まり、インターネット配信で観戦。豊川(愛知)にサヨナラ負けしたが善戦し、「私たちも甲子園に行くかもしれない。気を引き締めて練習していこう」と部員同士で決意した。 期待通り宇治山田商が春切符をつかむと、顧問の久保徳史教諭(50)はすぐに応援の演奏者の確保に動いた。小所帯の吹奏楽部は夏の三重大会決勝でも、久保教諭自らがソプラノサックスを担当した。OBや近隣の県立高校に声をかけた結果、試合当日には甲子園に、部員を含めて30人ほどの演奏者が集まれそうだ。一人でも多くの演奏者に加わってもらえるよう、今も奔走する。 伝統校の宇治山田商は、大きな試合になればスタンドにOBが集まり、大声援に包まれる。山本部長は「声援も楽器の一つになる。(吹奏楽部は)少ない部員数だけど、相手校に負けない熱量をグラウンドに届けたい」 〔三重版〕