推定4.5億円の「ルビーの靴」も出品!? ヘリテージ・オークションズが日本に本格参入する理由とは
日本国内では、Yahoo!オークションなどのネットオークションが広く利用されている。ただ、正式な鑑定を受けていない商品が多く、出品者と落札者のやりとりが発生する、商品の発送も出品者が行う必要がある、プロモーション方法が難しい、といった課題がある。 そこでオークション会社が間に入ることで、これらの課題をすべて解決する。 「たとえば商品をオークションに出品したことを新聞広告を使って告知する、あるいはショーに展示するなどして、世界中にプロモーションすることだって可能です」(松本氏)
「過去には、ポケモンのリザードンのトレーディングカードが約4,350万円で落札されました(2023年12月)。ゲームボーイのポケモン赤の未開封ソフトは約706万円の値がつき(2024年5月)、『となりのトトロ』の背景付き制作セルは約799万円で落札されています(2021年6月)。日本で生まれたアイテムの数々が、海外のコレクターに認められていることがお分かりいただけると思います」(松本氏)
松本氏によれば、日本ではコレクターの高齢化も特徴のひとつだという。 「ご高齢の方が大きなコレクションを手放すとき、その商品群を取り扱える規模のオークションハウスが必要です。コレクターさんは、商品を大事にしてくれる人に譲りたいと思っています。そこでヘリテージ東京オフィスが受け皿になれるのではないか、と考えています」(松本氏) 松本市は、オークションに出品を検討するときは気軽にヘリテージ・オークションズ・ジャパンのオフィスに連絡してもらえたら、と呼びかけた。 日本にもいわゆるオークションハウスはいくつもあるのだが、取り扱っているのは美術品や工芸品などが多く、ゲームやアニメといったポップカルチャー系の出品は少ない。こうしたジャンルではファンの間で高い価値を認められているアイテムは多く、アイドルやスポーツもそんな分野のひとつだろう。 「お宝」が本当に欲しいと思っている人の手に渡る、しかも信頼できるルートとサポートで――となれば、さまざまな物品を扱える規模のオークションハウスには潜在的なニーズと可能性を感じる。高齢になったとき、若い時分に集めたコレクションを手放すという話題には、身近に感じる人も多いのではないだろうか。 ■「ルビーの靴」の行方は? さて、発表会の後半では、ハリウッド不朽の名作『オズの魔法使』(The Wizard of Oz)内で登場する「ルビーの靴」がメディアに初披露。映画の中で、俳優のジュディ・ガーランドが扮する主人公のドロシーが履いた実物だ。同氏のサインも確認できる。