「すぐやる」組織がはまりがちな思考停止の罠 実行することばかり重視するチームの危うさとは
この違いは重要だ。例をあげよう。 ●パーツを製造する場合、どのパーツも可能な限り同じでないといけない。製造業にとって、ばらつき(バリエーション)は過失となる。 ●潜水艦を動かす乗員は、手順に忠実であることが求められる。手順を勝手に変えるのは違反行為となる。潜水時、「ハッチを閉じる」が先で「潜水する」が次となり、この順序を逆にすると過失となる。 ●ファストフード店で出すハンバーガーは、顧客の要望がない限りはどれも同じでないといけない。ファストフード店では標準化が勝つ。
バリエーションを減らす言葉は、結果を重視し、ひとつのことに意識を向けさせようとする。つまり、やり方と手順の厳守を徹底させるということだ。 そのため、「このやり方で実行しろ」や「間違いない」といった言い方になる。 バリエーションを減らすための言葉は、制御と服従を促す。 意思決定(考えること)と実行(行動すること)は種類が異なる仕事であり、バリエーションのとらえ方も正反対になる。 よって、意思決定と実行ではまったく異なる頭の使い方が必要になり、使う言葉の種類も変わる。
あなたも、バリエーションを歓迎すべき時に、それを打ち消すような言い方をしないよう気をつけよう。
L デビッド マルケ :米海軍攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」元艦長