南方諏訪神社本殿の茅ぶき屋根を42年ぶりふき替え 長野県松本市重文の南方諏訪神社
長野県松本市入山辺の南方(みなみがた)で氏神としてまつられている市重要文化財・南方諏訪神社本殿の茅(かや)ぶき屋根がこのほど、42年ぶりにふき替えられた。10月末から業者が進めていた工事が26日に終わり、屋根がつやつやと美しくなった本殿の輝きが増した。 神社は約570年前の創建と伝えられ、本殿は1700年代に再建されたと推定される。市文化財課によると、昭和57(1982)年に全面ふき替えが行われ、平成20(2008)年に修繕をした。市内の神社では南方諏訪神社、里山辺の八坂神社本殿の2例が茅ぶき屋根となっており、同課は「珍しいと思う」とする。 今回のふき替え工事は伊那市の茅葺(かやぶき)信州が担った。本殿周辺に足場を組み、同社が用意したススキの束約1000束を丁寧にふいていった。 ふき替え前はこけむして屋根の傷みがひどく、ハクビシンの巣にもなっていたため、4年ほど前からふき替えの計画を練っていた。工事費は約500万円で、市の補助金を活用した。町会の神社委員長を務める赤羽正紀さん(81)は「昔からの建材が傷む前に、ちょうどいい時にやることができた。思いのほか大変よくなり、ほっとした」と話している。 工事に伴い、一時的に拝殿へ移った御神体を本殿に安置する遷宮祭を12月14日に行い、来年1月3日の「元始祭」でお披露目する予定となっている。
市民タイムス