中国自動車大手、独自開発の「HV技術」を外資に供与へ 上海汽車集団がVWやGMとの共同開発車に搭載
中国の国有自動車最大手の上海汽車集団(上汽集団)は、同社が独自開発したHV(ハイブリッド車)の関連技術を、中国で合弁を組むドイツのフォルクスワーゲン(VW)やアメリカのゼネラルモーターズ(GM)などの外資系自動車メーカーに供与する。 【写真】上汽集団の独自ブランドPHV「栄威D5 XDMH」(同社ウェブサイトより) 上汽集団が5月10日、同社にとって第4世代のHVシステム「DMH超級混動系統(DMHスーパー・ハイブリッド・システム)」の技術発表会で明らかにした。 ■中国市場でPHVやEREVに勢い
中国の自動車市場では、2023年からEV(電気自動車)の販売の伸びが鈍化する一方、PHV(プラグインハイブリッド車)やレンジエクステンダー型EV(EREV)の販売が大きく伸びている。 (訳注:EREVは航続距離を延長するための発電専用エンジンを搭載したEVを指す。中国の販売統計上はPHVに分類される) 中国汽車工業協会のデータによれば、中国市場における2023年のEV販売台数は668万5000台と、前年比24.6%増加した。それに対し、同年のPHV(EREVを含む)の販売台数は280万4000台と絶対数ではまだEVの半分以下だが、前年比の増加率は84.7%と大幅に上回った。
上海汽車の新型HVシステムの発表に先立つ4月17日、VW中国法人のラルフ・ブランドステッターCEO(最高経営責任者)は財新を含む複数メディアの取材に応じた際、次のように述べた。 「VWは(合弁パートナーの)上汽集団および第一汽車集団とPHVの共同開発に合意した。わが社は中国の合弁パートナーとともに、現地化のレベルを高めたPHVの設計や生産に関する新たな可能性を探っていく」 また、VWと上汽集団の合弁会社である上汽VWの賈健旭(か・けんきょく)・総経理(社長に相当)は4月23日、メディアの取材に対して「EV用のプラットフォーム(車台)をベースに、PHVとEREVを開発する計画だ。製造コストはエンジン車と同水準(の低さ)を目指している」と述べていた。