日銀は自らの想定より早く「利上げ」に動くかもしれない
日本銀行の植田和男総裁はECBフォーラムで年内の政策変更に否定的なニュアンスを示した(写真:ブルームバーグ)
「今年インフレ率が鈍化したあと、2024年に入ってインフレの伸びは幾分加速すると予想しているが、2024年以降のインフレ加速についてはさほど確信できていない。この予想が妥当だとの確信が持てれば、政策を変更する理由となる可能性がある」 日本銀行の植田和男総裁は6月28日、ポルトガルのシントラで開かれたECB(欧州中央銀行)フォーラムで、こう述べた。この発言から想定できる今後の金融政策の標準的なシナリオは「来年の春闘賃上げ率も高い水準となり、賃金上昇を伴った物価上昇が実現すると確信できるようになれば、金融政策を転換する」といったところだろう。だとすれば、年内の政策変更はないという判断になるかもしれない。
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新見 未来