厳しい残暑、秋の訪れは遅く 気象庁3か月予報
気象庁は23日、9~11月の3か月予報を発表した。前半は暖かい空気に覆われやすく、9月は残暑が厳しくなる可能性がある。 秋の訪れは平年に比べ遅く、「短い秋」となりそうだ。
9月の残暑、10月の雨に警戒を
夏の間、日本列島を覆うように張り出す太平洋高気圧は、季節が進むにつれて東へと後退し衰弱していく。しかし、今年は偏西風が日本付近で平年より北を流れる影響で、衰弱が遅くなる見込みだ。この結果、全国的に暖かい空気に覆われやすく、残暑が厳しくなるという。 気象庁の楳田貴郁・異常気象情報センター所長は9月の残暑について「いったん涼しくなっても、急に気温が上がってくるということがある」として、熱中症への警戒を呼びかけた。 また、太平洋高気圧の東への後退が遅くなることで、太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が東日本、西日本の太平洋側や沖縄・奄美に流れ込みやすくなる時期がある見込み。この結果、特に10月の降水量はこれらの地域で多くなりやすい予報となっている。 10月は秋雨前線や台風の影響などで、災害を引き起こすような大雨が降りやすい時期であるが、平年以上に平時からの大雨への備えが重要となりそうだ。
今年の夏の天候の振り返り
今年の夏(6月~8月20日まで)の天候を振り返ると、西日本と沖縄・奄美は太平洋高気圧に覆われやすく、顕著な多照、顕著な高温となったほか、北・東日本では低気圧や前線、台風8号などの影響を受けて、顕著な多雨となった。 なお、有識者からなる気象庁の異常気象分析検討会(会長=中村尚・東京大学教授)は22日に会合を開き、6月下旬から7月初めの記録的な高温について「異常気象だった」との見解を示している。