【このニュースって何?】まもなく東京都知事選 → なぜ東京は区と市が別なの?
大阪にも「都構想」
東京都のような仕組みにしようとして「都構想」を練ってきたのが、大阪維新の会が主導する大阪です。今は大阪府があってその中に大阪市があります。大阪市は279万人(24年6月1日時点の推計)の人口がある大都市です。このため、大阪府と大阪市の二重行政による無駄があるとして、大阪市を廃止して四つから五つの特別区に分けようという構想です。 大阪都と名乗るには国会での法律改正が必要なためハードルが高く、実現しても大阪府という名称は残りそうなため、計画を説明する際には「いわゆる都構想」という言葉が使われています。 ただ、大阪市を廃止するためには住民投票で過半数の賛成が必要です。大阪市では2015年と20年に2度の住民投票が行われましたが、いずれも反対が賛成をわずかに上回り、否決されました。ただ、大阪の「いわゆる都構想」は完全に消えたわけではなく、3度目の住民投票がおこなわれる可能性も残っています。 東京だけに特別区があるのは、東京が抜きんでて人口の多い自治体であるためです。23区の中で政令指定都市の基準となる50万人以上の人口を抱える区が八つもあります。ひとつの特別区が大きな市の規模であり、その中に行政区を設けてもおかしくないほどです。東京と比較すると大阪は人口がかなり少なく、特別区を設けることに賛否が分かれるのはそのせいかと思います。
一色清 ジャーナリスト