ダイキチムスメ、ダイキチジョオー…縁起のいい名前のお裾分けで好走⁉ 井崎脩五郎のおもしろ競馬学
初詣に行ったら、おみくじを引いた女の子たちが、楽しそうにこんなことをやっていた。 「えっ、大吉を引いたの、わたしだけなの。だったら、この大吉のおみくじ、写真に撮ってみんなのスマホに送ってあげる」 「わー、うれしい」 大吉の縁起のよさを独り占めにしないで、友達みんなに送ってあげるというのだから、優しいし、仲がいいんだね。 そういえば以前、ダイキチムスメという馬がデビューしたときも、なんだか縁起のいい名前だなあと思って、よく単勝馬券を買った。 ◯ダイキチムスメ 2000年2月10日生 牝 鹿毛 父タイキブリザード 母インザジャングル 栗東・梅田康雄厩舎(きゅうしゃ)所属 通算41戦【3・1・2・35】 勝ったのは、未勝利戦と、500万下の平場(2勝)。 一見、地味な成績なのだが、未勝利戦を勝ったときに3馬身もぶっちぎった2着馬のシンコールビーは、その後、オークストライアルのGⅡ・フローラSを14番人気(単勝1万6540円)で制覇。ダイキチムスメの2着したときに、ダイキチのお裾分けがあったのかもしれない。 長老記者が、「もっと昔だけど、ダイキチジョオーという牝馬がいたなあ」というので調べてみたら、たしかにいた。1982年生まれの栗毛の牝馬。 中央競馬で未勝利に終わっているのだが、この馬の一族にその後、すごいのが出た。ゴールドを積んだ船、まるで宝船のような縁起のいい名前がついた、ゴールドシップである。皐月賞、菊花賞、有馬記念、宝塚記念。GⅠを4つも勝った。そうか、ゴールドシップは、ダイキチジョオーと血がつながっていたのかと知った。 最近は、インバウンドの観光客をあてこんで、英文のおみくじを用意している神社があるという。仄聞(そくぶん)するところによると、大吉は「Big Happy」と表記しているそうだ。引いてみたいね。(競馬コラムニスト)