渋谷駅直結・コスパ抜群の立ち食い寿司など、注目の12店〈大木淳夫の10月の新店アドレス〉
グルメ本編集長として数々の名店を訪れる大木淳夫さん。毎月たくさんの飲食店がオープンする中で、大木さんが「これは!」と思った新店をずらりと紹介します。
教えてくれた人|大木淳夫
「東京最高のレストラン」編集長 1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由」(堀江貴文)、「新時代の江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「にっぽん氷の図鑑」(原田泉)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)など。好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。「東京最高のレストラン2024」が発売中。
高級名店出身の若手の居酒屋と、都心に進出のスリランカ料理店|一流の味を“食堂”でカジュアルに
9月24日、新宿御苑前に「食堂わた」がオープンしました。店主の櫻井航さんは、人気料理人を輩出する「銀座 小十」出身。その後、「赤坂おぎ乃」「西麻布野口」と有名店を経ての独立なのですが、なんとまだ29歳。日本料理の世界では異例の若さです。
そしてそんな櫻井さんが選んだのは、昼は定食、夜は居酒屋というカジュアルな業態。もっと気軽にご飯や日本料理のおいしさを楽しんでほしいという思いからだそうです。土鍋で炊き上げるのは西麻布野口同様、群馬県産の「雪ほたか」。幻のコシヒカリともいわれるお米で、このご飯食べたさに昼は大人気のようです。
夜にうかがいましたが、強いにおいのため和食店では出せないニラに卵黄をのせたお浸しや、マスカルポーネを加えたフルーツの白和えなどが、どうにも日本酒を誘います。締めはもちろん見目麗しい「鮭いくら木の子土鍋御飯」を。一膳のつもりがあまりの美味にお代わりをしてしまいました。紹介しておいてこう言うのもなんですが、櫻井さんの志通り、予約困難店ではなく誰もが訪れて笑顔になれるお店になることを願っています。