FW森田晃が先制弾!帝京が駒澤大高に2-1で競り勝って優勝
6月16日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選の2次トーナメント決勝がAGFフィールドで行われ、帝京が駒澤大学高等学校に2-1に勝利し、優勝を果たした。 【フォトギャラリー】帝京 vs 駒澤大学高等学校 前半、ゲームの主導権を握ったのは帝京。技巧派揃いとあって中央からサイド。サイドから中央と丁寧なボール運びで相手陣内に攻めいり、チャンスを作った。 一方、駒澤大高はFW7富田澪(3年)、FW11岸本空(3年)、FW19吉田志生(2年)の3トップがプレスをかけつつ、ショートカウンターを仕掛け、さらにロングボール、セットプレーを駆使しながら、得点機をうかがった。前半37分にはCKからFW11 岸本が、前半アディショナルタイムには、左サイドからのクロスにFW7富田が頭で合わせ、惜しいシーンを作った。 余勢を駆って後半は駒澤大高になるかと思われた後半開始直後、帝京はDF3ラビーニ未蘭(3年)のクロスをゴール中央付近でFW10森田晃(3年)が左足で合わせて先制した。 追いつきたい駒澤大高は後半9分、3人の選手を投入。巻き返しを図りたかったが、直後の10分、帝京はMF11堀江真広(3年)の浮き球のパスを受けたFW9宮本周征(2年)が左足で決め、2点差とした。 引き離された駒澤大高は背後のスペースを突くやり方をより徹底。14分には替わったばかりのFW9岩井優太(2年)が決定機を作ったがあと一歩、及ばなかった。 地上戦と空中戦が織りなすなか、駒澤大高は後半32分、投入されたばかりのMF10 内田龍伊(3年)が決め、1点差に。残り時間、追いつくべく駒澤大高が攻勢を強めたが、粘りのある守備を見せた帝京が競り勝った。 気温31.6度の暑さにも、連戦の疲れにも負けず、全国行きを決めた両チームはそれぞれの特長を出した。そのなか勝った帝京。決勝戦でのモチベーションは目の前の優勝のふた文字だけではなかった。 2点目を決めたFW9 宮本は「きのう(準決勝・日大豊山戦)はあまりいいゲームができず、どこか歯がゆい勝ち方でしたので、しっかり優勝できてよかったです」と勝ち方にまでこだわるのは強豪校たるゆえんだろう。 この帝京に勢いを与えたのは後半開始、約30秒で先制弾を決めたFW10森田の存在。ゴールについてFW10森田は「試合前、監督からはニアに入りに行けと指示がありました。その作戦通りというか、ラビーニ(DF3 ラビーニ未蘭)がニアに入れてくれ、うまく決まりました」と話すとともに「サッカーは楽しいですね」と満面の笑みを浮かべた。そう感じるのも、うなずける。およそ1か月半前、FW10 森田は試合中に左ふくらはぎを痛め、戦線離脱。この決勝が久しぶりの出場となったからだ。FW10森田によれば、受傷後の約2週間、普段の生活に困るほど大変だったそうだが、ケガをしたからこそ改めて感じることもあった。 「普段、あまり感じなかった歩けることの幸せ、そしてボールを蹴ることができる幸せを改めて感じました。正直、インターハイ予選には間に合わないかと思いましたが、チームメイトや監督のおかげで出させてもらいました。1か月半前の自分の分も頑張ろうと思い、プレーしました」とFW10 森田にとって感謝の気持ちがこもった80分間となった。 そして、その視線は全国大会に向けられている。2年前の2022年、徳島で開催されたインターハイ。決勝に勝ち進んだ帝京は前橋育英に敗れ、惜しくも準優勝となった。この大会、サポートメンバーとして帯同したFW10森田は「2年前の壁を越えたいです。このメンバーなら日本一になれます」と断言。さらに「自分に何ができるか考えたとき、自分は一番下手なのでだれよりも体を張ったり、声でチームを鼓舞したりすることしかできないので、全国でも続けたい」と活躍を誓った。 (文・写真=佐藤亮太)