年利18%!?「新NISAのお金を全振りだ」→「個人情報取っただけ?」…ヤマダ積立預金の中止騒動 法的問題は?
「新NISAのお金を全振りしてもいいキャンペーン!!!」「話がうますぎません?」 ここ数日、SNSがざわついたヤマダデンキの積立預金の特典。 【映像】ひと目で分かる! 「ヤマダ積立預金」中止騒動 住信SBIネット銀行とヤマダデンキによる「ヤマダネオバンク」に毎月積立をすると、満期時にヤマダデンキのポイントがもらえるというもので、例えば月2万円だと1年で1万2000ポイントを獲得できるという仕組みだ。 さらに、12月2日から期間限定で10%の還元となるキャンペーンも予定されていたため、実質利回りが18%を超えると話題になった。 積立による特典といえば、百貨店の「友の会」があるが、こちらは積立金と特典分がその百貨店で使える商品券になって戻ってくるというもの。 一方、ヤマダネオバンクの積立特典は、積立金が現金として戻ってきたうえで、ポイントが特典としてもらえるため、“ローリスクハイリターン”の投資案件として注目されていた。 しかし、申し込み開始から間もなくアクセス集中により新規の申し込みを制限。口座を開設したものの、積み立ての申し込みに進めない人々が相次いだ。 そして12月2日…「『ヤマダ積立預金 満期特典』中止のお知らせ」が。 一部の人からの大量申し込みなど、想定をはるかに上回る申し込みがあったとして満期特典の中止を発表。これにSNSでは「個人情報と口座開設にかかった時間を返して」「ヤマダデンキ 2度と使わないしアカウントも消す」など落胆と怒りの声が相次いだ。 ヤマダデンキはお詫びとして申込者1人につき3000ポイント付与すると発表。「事前の想定・準備の見通しが甘く、期待を裏切る結果となった」としている。
ヤマダデンキはキャッシュを求めていた?
ヤマダ積立預金の騒動についてエコノミストの崔真淑氏は「実は実質利回りが10%を超えるような付録は珍しくなく、例えば株主優待も配当と企業のサービスを合わせると実質的には高い利率になっている。また、消費者にとって18%の利回りは魅力的に見えるが企業側は1万円で販売する商品を1万円で仕入れているわけではなく、企業が払っているコストは相対的に低いのだ」と説明。 ヤマダデンキはなぜこのような積立預金を始めようとしたのか。崔氏は「2つの理由からキャッシュを求めていたのではないか」と分析した。 「ヤマダデンキのキャッシュの動きを見ると、2013年と比べて在庫のはけ具合が少し弱く現金化が遅れてる。手元の現金を厚くするために、とにかく人を集めて口座を作りたかったはずだ。一方で他の積立商品にはJREネオバンクなどの『条件を満たせば40%オフで新幹線乗れる』などというインパクトのある数字が踊っているため、対抗せねばという焦りがあったのでは」 「もう1つは住宅ローンサービスを伸ばすためだ。ヤマダデンキは電化製品の販売だけではなく、住宅購入やリフォームなど様々なサービスを揃えており、しかも近年は住宅ローンサービスを提供している。当然、融資をするにはキャッシュが必要、というわけだ。金融事業は非常に利益率が高いため『沢山の預金を集めたい』という狙いがあったのでは」