本家はイニエスタ率いる神戸のバルサ化をどう見たか?
対決を前日に控えた26日にノエビアスタジアム神戸で行われた記者会見。ヴィッセルを代表して出席したイニエスタは、クラブを挙げて取り組んでいる改革をこんな言葉で表している。 「僕たちは魅力的なサッカーがしたいと考えている。魅力的とは僕たちのアイデンティティーでもあるが、そのためには非常に長いプロセスが必要だし、もちろん結果も求めなければいけない。なので、僕たちのスタイルを守りながらも、結果を得られるようなプレーができるように励んでもいる」 結果を得るための手段のひとつが、古巣相手に発動させたカウンターとなるのだろう。前日会見で同席したMFセルヒオ・ブスケツ(31)も、盟友イニエスタの胸中を慮るように言葉を紡いだ。 「プロジェクトを実現させるためには、忍耐と時間が必要だと思う。サッカーは一朝一夕に変わるものではないので、(ファンやサポーターの)みなさんにも辛抱強く待っていただければ」 バルセロナひと筋でプレーしてきたブスケツは、2005年夏に下部組織に加入した。すでにクラブ全体に脈打っていた、歴史と伝統を誇るDNAのもとで心技体を磨きあげ、2008年9月にトップチームでデビュー。バルセロナのスタイルに必要不可欠なアンカーとして、いまもいぶし銀の存在感を放つ。 試合前日の時点でヴィッセルのサッカーをほとんど見ていなかったはずだが、新たな挑戦を始めていることは、昨夏に加入したイニエスタを介して耳に入っていた。変革には必ず産みの苦しみを伴うとわかっているからこそ、まだ1年しか経過していない、とブスケツは言いたかったのだろう。 試合前には新外国人として、昨シーズンまでバルセロナに所属していたベルギー代表DFトーマス・フェルマーレン(33)が完全移籍で加入することが発表された。23日に加入が決まった元レバノン代表DFジョアン・オマリ(30)に続いて、今夏で2人目の新外国籍選手となる。