本家はイニエスタ率いる神戸のバルサ化をどう見たか?
最新の順位でヴィッセルは15位と、残留圏ぎりぎりにあえいでいる。総得点30はリーグ4位タイにランクされながら、総失点36は同ワースト2位。脆さだけでなく、バルセロナ戦でも再三見られたようにビルドアップにおける不安定さも、戦い方に決して小さくはない影響を与えていた。 外国籍選手の出場枠問題は残るものの、弱点を補う意味でも的確な補強と言っていい。 イニエスタも「オマリ選手を含めて、ディフェンス面で安定をもたらしてくれる」と、アヤックスやアーセナルでもプレーしたベテランのフェルマーレンの加入を歓迎。そのうえでこう続けた。 「今日の試合をチームが成長するための手助けにしなければいけない。一番大事なのは来週金曜日の公式戦。それへ向けていい準備ができたし、個人的にも最大限の力を出せたと思う」 メンバー全員が入れ替わった後半に失点を重ね、試合そのものは0-2で敗れた。しかし、目標をJ1残留に切り替えざるをえないリーグ戦は、中5日ですぐに訪れる。バルセロナに思い知らされた現在地を胸に刻みながら、それでも理想を見失わず、場合によっては現実的な戦いを織り交ぜながら、ヴィッセルはちょっとずつ前へ進んでいく。その中心にイニエスタがいる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)