【40代・50代「更年期治療」をアップデート!⑩】健康寿命を延ばしたいなら、まずは「骨と血管」の健康に注意! では、その方法は?
高齢で健康を害したら、損するお金はいくらでしょう?
「費用の問題を考える人もいると思います。 サプリなどは保険が使えない。検査にサプリに、はたまたフェムケアアイテムを買ったり。月に1万円じゃすまないということになります。それはちょっと痛い出費かもしれません。 でも、プレ更年期にいる人は、今のうちにライフスキルを軌道修正してケアしていけば、不調に悩まされたり症状がひどくなったりして病院に通うより、お金がかからないですむということ。 また、寝たきりになったら、当然お金がかかりますよね。 日本人の生涯医療費は約2,700万円。そのうち半分の約1,350万円が70代以上にかかるというデータもあります。高齢になって不健康な人は、健康な人と比べて1,350万円も損するということなんです。 それを考えたら、今、健康のためにかける月々5000円とか1万円を惜しいと思ってはいけない気がしてきます。使うだけではなく、快適な生活も一緒に伴ってくるわけですから。高齢になって莫大なお金を使いつつ不健康に暮らすことを想像したら、もはやチョイスは決まってくると思います」 日本人のヘルスリテラシーの低さは、しばしば問題にされる。 「ヘルスリテラシーとは、健康や医療に関する正しい知識や情報を手に入れ、活用する能力のこと。日本人の乳がん検診の実施率※1 を見てもわかります。欧米諸国や韓国と比べても検診率がいちばん低いんです。 私が以前にみた、日本と中国における大規模な健康意識の調査※2 では、健康のために使っているお金は、中国は日本の10倍以上でした。 日本人女性のヘルスリテラシーを高めて、健康寿命を延ばしたい。私のように女性医療にかかわる産婦人科専門医が、今いちばん力を入れているのはそこなのです」 ※1乳がん検診受診率 国際比較(50~69歳女性)がん研究振興財団「がんの統計2022」より ※2電通 『大規模調査から考察!「日本と中国」ヘルスケア意識の違いとは?』より
【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) イラスト/Shutterstock 取材・原文・画像制作/蓮見則子
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