入団即守護神起用も!? 愛知工業大の最速159キロ剛腕はドラフト競合必至か
ドラフト候補にとって、最終学年となる4年時の活躍は指名順位に直結する大切なもの。そのような意味で、順調な成長を遂げていると言って良いでしょう。 愛知工業大の最速159キロを誇る右腕・中村優斗です。長崎・諫早市生まれの21歳は中学時代、公務員志望。公務員採用試験に実績のある諫早農に進学し、農業土木科で学ぶ中、投手としての才能が開花。最速145キロを計測すると、愛知工業大に進学後、ウェートトレーニングの成果もあって球速アップに成功。ついに「大台」の160キロまで「あと1キロ」に迫ったのです。 スポーツメディアの記者は言います。 「その名が全国区になったのは、3月に京セラドーム大阪で行われた侍ジャパントップチームと欧州代表との強化試合です。中村は、関西大の同じくドラフト候補投手である先発した金丸夢斗の後を継いで2番手で救援すると、春先にもかかわらず最速157キロをマーク。1回をパーフェクトに抑える上々の『侍デビュー』を飾りました。好投した金丸と並んで、今秋ドラフト1位候補の称号を決定的にしたのです」 愛知大学野球の春季リーグ戦では優勝こそ手中に収められませんでしたが、5月6日の中京大戦(パロマ瑞穂)では自己最速を更新する159キロを計測するなど堂々のパフォーマンス。6月下旬に平塚で行われた「侍ジャパン大学代表選考合宿」の紅白戦では、リリーフで2イニングを完全の5者連続奪三振。大学球界最強とも呼ばれる青山学院大の西川史礁に対しても、スライダーで空振り三振に封じるなど、圧倒的な力を見せつけました。 前述の記者は続けます。 「そもそも今年の初め頃、スカウトの一番人気は明治大の宗山塁でした。『10年に一度のショート。獲得できればこれから10年、ショートは必要ない』とも称された逸材です。しかし春季リーグ開幕戦前のオープン戦で死球を浴び、その後も上半身のコンディション不良に見舞われるなど、公式戦にベンチ入りしながらも出場できなかった。関西大・金丸も腰痛で大学ジャパンを辞退する中、タフで強い球を放れる中村の人気が高まっているんです」 金丸や宗山が秋のリーグ戦で万全な状態を見せれば、西川も交えてドラフト1位での競合は必至な状況。強心臓を武器に、「入団即守護神」の活躍も期待されます。 「タイプはちょっと違いますが、巨人の大勢のような活躍も期待できる投手です。ブルペンが手薄なチームからすれば、喉から手が出るほど欲しい守護神候補でしょう」(前述の記者) 160キロ超えの瞬間が、今から待ちきれません。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]