モー娘。石田亜佑美、13年間の活動に幕を下ろす「あなたが応援してくれたアイドルは今最高に幸せです」
モーニング娘。'24が12月6日、神奈川・横浜アリーナで「モーニング娘。'24 コンサートツアー秋 WE CAN DANCE!~Bla Eld~石田亜佑美 FINAL」を開催。本公演をもってグループ、およびハロー!プロジェクトを卒業する石田亜佑美がラストパフォーマンスを披露した。 【写真】石田亜佑美を中心に記念撮影 ■アルバム『Professionals-17th』を引っ提げた全国ツアー 2024年5月にモーニング娘。'24、ハロー!プロジェクトからの卒業を発表した石田。今ツアーは11月27日にリリースされた17thアルバム『Professionals-17th』を引っ提げた内容となっており、石田が参加する最後の全国ツアー。そのため、10月26日と11月25日には、石田のふるさとである宮城・仙台での凱旋(がいせん)公演も実現。 また、ファイナル公演のタイトルは石田が自ら言葉を選定。スウェーデン語で「青い火」を意味する「Bla Eld」をツアー名の最後に付け、「(卒業まで)魂を燃やして駆け抜ける」と宣言した石田らしいコンサートタイトルになった。 この日、会場の横浜アリーナには約1万2000人が駆け付け、ツアーの集大成としてパフォーマンスを披露する13人の雄姿と、石田のパフォーマンスを見届けた。 ■フォーメーションダンスが光る楽曲で会場を盛り上げる 卒業公演当日、開演を告げるアナウンスが行われると、石田を応援する「亜佑美!」というファンの掛け声が響き渡り、彼女のメンバーカラーであるロイヤルブルーに会場全体が染まっていく。 場内が暗転し、重く響くビートサウンドが鳴り響くと、ゴールドと黒のゴージャスな衣装を身にまとった13人がステージに登場。そして、アルバム『Professionals-17th』から「勇敢なダンス」をパフォーマンス。アップテンポなビートの中、会場に鋭い視線を投げ掛けながら、クールで華やかなステージを繰り広げていく。 そのまま、「最KIYOU」「愛の軍団」というモーニング娘。ならではのフォーメーションダンスが光るダンスナンバーを披露。さらに、「恋愛レボリュ-ション21(updated 23 Ver.)」では、メンバーが客席に近い花道を歩き、ファンに笑顔で手を振りながら歌唱。ファンとの交流も大切にしながら、コンサート序盤から会場を大いに盛り上げていった。 ■『Professionals-17th』収録曲でファンを魅了 MCでは、石田と野中美希以外の11人がステージからはけると、2人がそれぞれ観客に「楽しんでいますか?」と問い掛け、客席からは空気をビリビリと震わせるような大きな歓声が。石田が「WE CAN DANCE!心を震わせる準備できてきますか?」と語り掛けると、大きな拍手とともに石田を応援するファンの声が沸き起こり、会場は温かな一体感に包まれていく。 その後、リーダー・生田衣梨奈がグループを代表してあいさつ。生田は「皆さん、しっかり隅から隅まで目に焼き付けてください!」とファンに呼び掛ける。そして、羽賀朱音の曲振りから「なんだかセンチメンタルな時の歌」へ。人間関係や成長を前にした不安定な心境を描いた歌詞の世界観を、アンニュイな表情と歌声で表現し、それまでの会場内の空気は一変。 「恋人」では切なげながらも、会場全体に広がる伸びやかな歌声で観客を魅了。その空気を保ったまま「ジェラシー ジェラシー(23 Ver.)」「君さえ居れば何も要らない(updated)」「泣いちゃうかも」を歌い、再びMCへ。 ■石田亜佑美のくせが暴露される このMCパートでは、石田と横山玲奈、櫻井梨央の3人が“石田に言いたいこと”をテーマに和気あいあいとトークを展開。まずは横山が、石田とコンビニに行った際のエピソードを紹介する。 メンバーとコンビニに買い物に行くと、必ずそのメンバーの買い物かごをのぞき見るくせがあると明かされ、石田は「理由はあるんですよ」「(メンバーが)結構、朝ごはん食べるんだって思ったり。それおいしそうだね、私も買いたいなって(思っている)」とコメント。 横山から「でも、卒業したら他のお客さんのかごは見ないようにしてくださいね」と念を押された石田はタジタジになりながらもうなずき、会場からは笑いが起こる。 また、寒い季節になってもなお、石田は現場にサンダルを履いてきていたという話題も。実は以前のツアー内MCで、石田が寒くなってもサンダルを履き続けている理由について「仕事では着脱が楽だからサンダルを履いている」という話をしていたそう。 その考え方に影響を受けた井上春華が、最近、現場にサンダルを履いてくるようになったことを櫻井が話すと、横山はすかさず「はるちゃん、リスペクトの仕方ちょっと間違ってるー!」とツッコミを入れ、会場は再び笑いの渦に包まれる。 その後もさまざまな話題で会場を和ませると、13人のメンバーがユニットを組んでパフォーマンスを披露するコーナーへ。北川莉央、岡村ほまれ、山崎愛生の15期メンバーが、都会的なサウンドが印象的な「おっちょこちょいなファンタジアロマンス」で、それぞれ特徴の異なる歌声をクロスさせて観客を魅了。 小田さくらと羽賀は、「内緒だよ」で優しい歌声を聞かせ、幻想的でかわいらしい空間を作り上げていく。横山と井上春華は「会えてよかった」を披露。弾ける笑顔とポップなサウンドの楽曲でファンを楽しませると、生田、石田、野中、牧野真莉愛、櫻井、弓桁朱琴の6人がファンク調のリズムやサウンドが印象的な「幸せ指数 発表されたい」で会場を盛り上げた。 ■新旧さまざまな楽曲をパフォーマンス そのまま休むことなく、13人がステージに再登場。コンサートは佳境を迎え、壮大なサウンドの中でメンバーの歌声が伸びやかに響く「大空に向かって」で観客の心を震わせると、「One・Two・Three(23 Ver.)」「ブレインストーミング(updated)」「What is LOVE?(23 Ver.)」といったアップテンポな楽曲で、会場の盛り上がりをさらに高めていく。 その後、メドレーパートで「冷たい風と片思い」「私は私なんだ」「笑えない話」「人生Blues」「踊れ!モーニングカレー」と新旧さまざまな楽曲を、石田のソロダンスや各メンバーのダンスシーンも交えながらパフォーマンス。 続くMCでは、北川が「さあ、ここから後半戦です! 皆さん、石田さんに負けないくらい盛り上がっていけますか!」と、コンサートがいよいよ終盤に近づいていることを告げ、小田、岡村、櫻井、井上、弓桁がそれぞれの言葉で会場をあおる。 山崎の「それじゃあ石田さん、よろしくー!」の掛け声で石田が「いくぜ横アリ!」と力強く叫び、「HOW DO YOU LIKE JAPAN?~日本はどんな感じでっか?~」へ。ロックなサウンドとグルーヴが印象的な楽曲で観客のボルテージを引き上げると、最新アルバムから「ムカ好き!」を歌唱。 さらに、「青春Say A-HA」「Wake-up Call~目覚めるとき~」「わがまま 気のまま 愛のジョーク(23 Ver.)」を駆け抜けるようにパフォーマンスした。 ■メンバーが石田亜佑美にメッセージを伝える 本編最後のMCでは、各メンバーが思い思いの言葉で今回のツアーや本公演への思い、ツアーがいよいよ終わること、石田の卒業のときが近づいていることへの心境を語っていく。 「こうして横浜アリーナに立ててうれしい」と笑顔を見せた弓桁は、石田に「石田さんの温かい言葉に何度も救われていました」と語り掛け、背中の鍛え抜かれた背筋を見せて「この背中で、いつか石田さんみたいにモーニング娘。を引っ張っていけるようになるので、見守っていてくださるとうれしいです」とコメント。 櫻井は涙をこらえながら、「加入時に寂しい思いをしたこともあったんですけど、石田さんはいつも『大丈夫だよ』と声をかけてくれた」「当時の私の支えになっていた」と石田との思い出を振り返る。岡村は、石田のダンスパートを受け継ぐ覚悟を見せ、「(この楽曲)格好良いんだぜというのを見せられたら!」と意気込む。 横山は、石田とのコミカルな掛け合いを含んだMCができなくなることに言及。「すごく寂しい」と心境を明かす一方で、「石田さん大好きです」「明日以降、ファンクラブ入会案内をお家に送ります!(笑)」と笑顔を見せ、2人の仲の良さが垣間見える一幕に。牧野はドラゴンボール風のセリフで石田への愛情を表現し、会場の笑いを誘い、小田は涙をこらえながら石田への思いを伝える。 小田は「いつの間にか相方のような関係になって、背中合わせで歌うことも増えて、石田さんとモーニング娘。をやることに意味があった」と言葉を紡ぐと、生田は「(石田が卒業しても)亜佑美ちゃんがいたなって、誇れるようなグループになれたら」と今後への思いを語る。 そして、本編ラストは「笑顔の君は太陽さ」。全員が笑顔で、13人の絆の感じられるパフォーマンスを展開して本編は終了した。 ■卒業のあいさつでは13年間の活動への思いを明かす アンコールで石田は、スパンコールの輝く深い海底のような美しいブルーの衣装で1人ステージに登場。会場をゆっくりと見渡すと、13年間の活動に対する思いをつづった手紙を朗読していく 「いつか自分もと夢見ていた卒業というステージ。こんなにたくさんの方に見守っていただき、本当にうれしいです」「卒業を発表してからの半年は、卒業フィーバーだ!って特に楽しく駆け抜けた日々でした」と、卒業を発表した5月からの期間を振り返る。 さらに、ファンに向けて「皆さんは私に変わるきっかけをくれたすごい人。明日からもその自覚を持って過ごしてほしい」と話し、故郷である宮城への思い、後輩メンバーへの思いなどを明かして、「今、私に見えている景色は一生、自慢できるくらいきれいです」と満面の笑みを見せる。 続けて、「(この景色を見たことを)まず、10期に自慢しようと思います」「初めのころは些細なことでけんかして、大人にたくさん心配を掛けました」「どぅー(工藤遥)、はるなん(飯窪春菜)、まー(佐藤優樹)、10期として出会えてよかったよ、ありがとう」と涙をこらえて同期メンバーへの思いを口に。 最後に、「卒業と加入がないグループだったら、ずっとこのステージにいたいと思うほど、私はモーニング娘。が大好きです」「これからも魂がつながっていくことを信じて、今日、私はモーニング娘。を卒業します」「あなたが応援してくれたアイドルは、今最高に幸せです!」と、あらためてファンに感謝。 「この魂に灯した青い炎は絶対に絶やしません」「(卒業後は)何でもやってみたい!」「モーニングの石田亜佑美と出会ってくれて、好きになってくれて、本当にありがとうございました!」と伝えた。 ■“モーニング娘。石田亜佑美”として最後のパフォーマンス あいさつを終え、笑顔で「私のでっかい花」を歌い始める石田。曲中、終始会場中を見回しながら、1つ1つの言葉を丁寧に歌い上げる。その後、他のメンバーがステージに再登場し「いいことある記念の瞬間」をパフォーマンス。 生田が「秋ツアーを無事に完走することができたことをうれしく思います」「今日で、石田亜佑美ちゃんはグループを卒業します」「あゆみちゃんは卒業して、1人の女性としてまた皆さんに笑顔を届けてくれると思います」とファンに本公演最後のあいさつを行う。 そして、「この13人を皆さん、しっかり目に焼き付けてください!」と呼び掛け、ドレスのスカート部分が短くなった石田と合流。「ENDLESS SKY」を歌い、アンコールの最後はメンバー全員が笑顔で「青空がいつまでも続くような未来であれ!」を歌唱。 石田は最後まで、12人のメンバーとともにステージを歩き回りながら、涙と笑顔が入り混じった表情でファンに手を振り、ステージを後にした。 石田がステージから去ってからも鳴り止まない観客からの「亜佑美!」コールに応えて、石田は最後にもう一度だけステージに姿を現し、会場中に手を振ってラストステージを終えた。 ※「モーニング娘。'24 コンサートツアー秋 WE CAN DANCE !~Bla Eld~石田亜佑美 FINAL」、Blaのaは正しくは上に小さな丸(リング記号)付き。山崎愛生の「崎」は正しくは「立つさき」