30代のフリーランス、国民年金に加入しています。「ねんきん定期便」を見て年金額が少ないことに愕然としました。年金額を増やすにはどのような方法がありますか?
老後に受け取れる国民年金(老齢基礎年金)は、夫婦で月額約13.6万円(満額の場合)です。夫婦高齢者無職世帯の平均的な消費支出は、月に約25万円(2023年)かかります。 この不足分を補うものとして、会社員の方(第2号被保険者)には厚生年金がプラスされていますが、フリーランスなど第1号被保険者は自分で準備する必要があります。 主な準備方法として、「任意加入」「付加年金」「国民年金基金」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」があります。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
国民年金の年金額
国民年金(老齢基礎年金)は、すべての国民を対象とした年金です。20歳~60歳までの40年間(480月)保険料を支払い、65歳から老齢基礎年金を受給します。 老齢基礎年金を受給するには10年以上の加入期間が必要です。加入期間は保険料納付済期間、保険料免除期間、厚生年金の加入期間、合算対象期間(カラ期間)の合計です。40年間保険料を納めた場合、年金額(満額)は年額81万6000円です(2024年度)。 保険料納付済期間が10年以上であれば老齢基礎年金は受給できますが、年金額は満額の4分の1(120月/480月)になります。ちなみに、国民年金の保険料は、月額1万6980円(令和6年度)です。
任意加入制度
国民年金には、本人の申し出によって「60歳以上65歳未満」の5年間(納付月数は480月まで)、国民年金保険料を納付することで、65歳から受け取る老齢基礎年金を増やすことができる[任意加入制度]があります。 任意加入のメリットは、納めた保険料は社会保険料控除(所得控除)の対象ですので、節税しながら65歳から受け取る老齢基礎年金を増やすことができます。また、納付期間が10年未満の方は、任意加入することで無年金の解消ができます。 任意加入できるのは、次の以下のすべての条件を満たす方です。 1.日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方 2.老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方 3.20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の方 4.厚生年金保険に加入していない方 上記のほか次の方も加入できます。 ・年金受給の資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の方 ・外国に居住する日本人で、20歳以上65歳未満の方 なお、保険料は480ヶ月を超えて納付することはできません。