EV市場伸び悩みもロールス・ロイスは4800万円高級路線で勝負 初のEVの実力は?【WBS】
アメリカのEV=電気自動車大手「テスラ」がことし1月から3月までの決算を発表し、およそ4年ぶりの減収となりました。世界のEV市場が頭打ちとなる中でも、なおEV戦略を加速させている企業もあります。 23日に発表されたテスラの1月から3月までの決算は、1年前に比べ売上高が8.7%減り、およそ4年ぶりの減収となりました。純利益は5割以上の大幅減益。EVの販売が低調だった背景には、低価格のEVで攻勢をかける「BYD」など中国勢の存在があります。テスラはこれに対抗するため、低価格モデルを含むEVの生産を従来予定していた2025年後半から早めることを明らかにしました。 価格競争が激化しそうなEV市場ですが、高価格帯を貫くのが「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」です。ロールス・ロイス初のEV「スペクター」が日本でも納入が始まっていて、価格は4800万円からです。 「見た瞬間、ロールス・ロイスとわかるフロントグリル。圧倒的な存在感です」(豊島晋作キャスター) 車幅は2メートル以上。これまでのロールス・ロイスの中でも最も幅が広いフロントグリルも特徴です。
室内には光ファイバーを入れた星が瞬くインテリアや、靴が沈み込むほどの弾力のカーペットも内装されています。 豊島キャスターがロールス・ロイス初のEVに日本のテレビ局として初めて試乗しました。 「自動車に乗っているのではなく、電車に乗っている感じです。しかも新幹線のグリーン車に乗っているような、そんな乗り心地です」(豊島キャスター) スペクターでは、路面の小さな凹凸が車体に伝わることで起きる不快感も最新のシステムで制御。ロールス・ロイスの特徴である静かな走りを実現しています。ロールス・ロイスはこのスペクターを皮切りに、2030年までに全ての車をEVにする方針です。 先進国で、EV需要が減速しても目標は変わりません。アジアエリアのトップであるアイリーン・ニッケインさんは「顧客の特徴」がその理由だと指摘します。 「ロールス・ロイスの顧客は複数の車を持ち、EVを含め選択肢がある」(アイリーン・ニッケインさん) 富裕層の顧客は、車のラインナップにEVを加える傾向があるといいます。 今後の世界でのEV需要については「将来のEVの売り上げは多くの要因に左右されると思う。国や市場のインフラ、充電ステーションの準備がどの程度整っているかにも注目が必要。トレンドがどのように動くかを見守る必要がある」と話します。